コロナ禍の影響、遅れてやってくる業界 鹿島の株価に映る「ゼネコン」への投資家の視線

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民間需要がどこまで戻ってくるのか

   ゼネコンは外食や小売りのような「日銭商売」ではなく、一定の時間をかけて取引先から受注し、売り上げを立てていくビジネスのため、コロナ禍の影響は今後じわじわ響くことになる。

   鹿島に大成建設、大林組、清水建設を加えた大手4社の2021年3月期の連結純利益(各社が公表した業績予想)の合計は前期比33.5%減の2910億円で、2016年3月期以来、5年ぶりの低水準に落ち込むと見込まれている。もちろん、ほぼコロナ禍以前から予定されていたものの積み上げであり、もともと五輪関連などの需要の膨らみから一転して一服感がある年度にあたっていた。今後、官公需は予定通り進むにせよ、民間需要をどう見通すかが重要になる。

   この点、一つの見方が出た。大和証券は10月22日付リポートで鹿島の投資判断を「2」から「1」へ5段階の最上位に格上げし、目標株価も1600円から1700円に引き上げた。「国内建築市場の竣工ラッシュは2019年度で一旦ピークアウトも2022年度以降は再び活発化する方向へ」というのがその理由。先述のみずほ証券リポートの翌日の配信で、23日の鹿島の株価は一時前日終値比2.0%(23円)と好意的に反応した。

   しかし最初に書いた通り、その後は10月30日まで4日連続下落を招いており、大和リポートの「効果」は長続きしなかった。投資家の間で「今後の建築需要は不透明だ」との認識が根強いことを示していると言えそうだ。

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