「もううんざりだよ」
ワシントンだけでない。たった今(11月6日)、ニューヨーク・マンハッタンのセントラルパークで大学生5人(全員19歳)と話していると、男子学生のアダムが携帯を見て、嬉しそうに叫んだ。
「『TRUMP IS OVER PARTY』だってよ! ワシントンスクエアで今夜6時半からだ! 俺、行くよ」
女子学生のサラは、「行きたいけど、何かあったら危ないからって、親が行かせてくれないだろうな」とつぶやく。
今回、5人にとって初めての大統領選挙だった。全員、バイデンに投票し、友達も皆、バイデン支持者だという。
「共和党支持者と話したことがある?」と聞くと、皆、首を横に振ったが、サラは「親がそうなの」と切り出した。
「それが我が家の最大の問題。エゴだらけの独裁者をなぜ支持できるの? だから親とはうまくいってない。毎晩、政治について口論してるわ。母親が関心があるのは、税金やお金のことだけ。人権なんてどうでもいいの。白人はただでさえ恵まれていると私が言うと、私だって若い時には苦労したわよ、って言い出す始末」
ペンシルベニア州を獲得すれば、バイデン氏の勝利が決まる状況となり、この州最大都市フィラデルフィアでは、開票が進むコンベンション・センター前など市内各地で人々がダンスしながら、バイデンの勝利を今か今かと待っている。
ともに民主党支持者が圧倒的に多いニューヨーク市でも首都ワシントンでも、街中を歩いていると、「トランプ」「票」「ペンシルベニア」「ジョージア」などの言葉が聞こえてくる。
そして多くの人が、「I'm getting tired of this.(もううんざりだよ)」と話す。
この国の激しい分断、そしていつまでも結果の出ない大統領選に疲れ切った様子だ。投票日夜から翌朝にかけて、一睡もしなかった人たちも多い。