通勤ラッシュ時に高くなる? JR「変動運賃制」導入への課題は...

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背景には「鉄道利用者の激減」が

   テレワークの広がりや外出自粛の影響で鉄道利用者は激減している。JR東日本が9月に発表した2021年3月期連結業績予想によれば、最終(当期)損益は4180億円の赤字(前期は1984億円の黒字)の見通しで、通期の赤字転落は1987年の民営化以降初となる。厳しい経営環境の中、抜本的な対策は避けられず、同社は既に来春から終電時間を繰り上げると発表、コスト削減を急ぐ計画だ。

   変動運賃制はこうした中で突如、JRが話題に挙げたもので、「業績悪化を受けた対応策の一環であることは間違いない」(関係者)とみられている。同社は定期券で導入する可能性を示唆するが、混雑のピークとなる時間帯を避けた乗客向けに運賃を引き下げた定期券を導入する一方で、いつでも乗車できる従来型の定期券は値上げするような形が考えられるからだ。

   「JR東日本は『値上げする』とは一言も言っていないが、変動運賃制の導入で実質的に値上げとなる可能性は小さくない」と話す鉄道関係者は少なくない。

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