通常の約7倍もあるという商品「ペヤング超超超超超超大盛やきそばペタマックス」がコンビニで先行発売され、その中に含まれる食塩の量が話題になっている。
パッケージには、「絶対に1人で食べないでください」と注意が呼びかけられている。しかし、そのお願いに反して、1人で食べた速さなどを競うユーチューバーらが続出している模様だ。
過去には、1歳女児が小さじ1杯の食塩入り飲み物で死亡した例も
カップ麺などが並んでいるコンビニの棚に、ひときわ大きく箱のような商品が置いてある。
ペタマックスが2020年11月2日に先行発売されると、ツイッターでは、こんな写真が投稿され、話題になった。
ペヤングソースやきそば発売元のまるか食品は、2年前に約4倍の大きさの商品を発売したが、それをさらに上回る巨大さだ。「ペヤング史上最大級」とうたい、重さも878グラムと1キロ近くある。カロリーは、4184キロカロリーだ。
商品情報によると、この中に含まれる食塩の量は、24.6グラム。小さじなら、5杯分ぐらいになる。
新聞記事や医療情報サイトでは、体重1キロ当たり0.5グラムの食塩を一度に摂取すると、人によっては中毒症状が現れるとされている。過去には、保育園で2015年に1歳女児が小さじ1杯ほどの約5グラム入った飲み物を与えられ食塩中毒で死亡する事件も起きている。1歳児の平均体重は10キロ前後で、1キロ当たり0.5グラムの摂取でもリスクがある計算だ。
もっとも、食塩そのものではなく、それが含まれる食品をどれだけ食べれば危ないかは分からないが、ツイッターでは、11月5日になって、ペタマックスに含まれる食塩量が体重60キロならリスクのあるレベルに近いと話題になった。
「健康被害は出てないが、カロリー超過にもなるため1人で食べないで」
まるか食品では、パッケージや公式サイトで、1人では食べないように呼びかけているが、ツイッター上などでは、1人で一気に完食したと自慢するような投稿が相次いでいる。
その動画をアップするユーチューバーらも何人かおり、「話題の超×6大盛りペヤングを食べてみました!」「ご馳走さんした... 余裕だったよ」「胃袋ブラックホールだな俺は」などと報告していた。中には、「ひたすらにしんどい」と漏らしながらも、40分台で完食したと速さを競うようなツイートもあった。
摂取する食塩の量について、厚労省の健康課では11月6日、J-CASTニュースの取材にこう話した。
「食塩は、生活習慣病になったり、胃がんのリスクを高めたりすると言われています。ですから、習慣的に摂取する平均の量として、成人男性は7.5グラム未満、成人女性は6.5グラム未満を目標値にしています。過剰な摂取は避けるよう呼びかけており、1日で約25グラムを摂取すれば、体への影響も考えられ、望ましくないと思います」
ペタマックス発売後の状況について、まるか食品の広報担当者は6日、「健康被害は出ていませんが、カロリーなども一日の推奨摂取数値を大幅に超える恐れがあるので弊社としては1人で食べないようにとパッケージに記載しております」と取材にコメントした。16日には、予定通り一般販売するという。
売れ行きについては、「SNSの影響もあり好調です」と答えた。公式サイトで、英語、中国語、韓国語のパッケージもあるとしていることについては、「インバウンドを意識して、外国語の表記をHP上でしておりますが、現在コロナの影響で外国人来日客がいないためほとんど外国人に向けて販売が出来ておりません」としている。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)