群馬県大泉町内の利根川河川敷で、オフロードバイクを運転していた男児(8)が前を横切ろうとした女児(6)と衝突し、女児が重傷を負う事故があり、子供が河川敷でバイクを乗っていたことにネット上で驚きの声が上がっている。
散歩などで人が通るような場所でも、バイクを運転できるのだろうか。河川敷を管理する国交省の利根川上流河川事務所に話を聞いた。
通常は、人や車が入らないクローズされた場所で走る
「サーキットじゃなくて河川敷かよ」「免許取る前にもう交通事故」「一般人の居る場所で乗ったら危ない」...
男児が起こした事故について、フジテレビや日本テレビが2020年11月4日、ウェブ版ニュースでも報じると、コメント欄などでは、こんな声が寄せられた。
それらの報道によると、男児は3日13時ごろ、河川敷の道幅3.3メートルの砂利道を子供用オフロードバイクで走っていて、右側から歩いて前を横切ろうとした女児と衝突した。この事故で、女児は、左足の骨を折る重傷を負い、男児も、額や足に軽いケガをした。
2人とも、両親と遊びに来ていて、知人同士の同じグループだった。
男児が乗っていたのは、ガソリンエンジンを搭載したモーターバイクで、自分でスピードの調節もできたという。男児は、何度か運転経験があった。どれくらいのスピードを出していたかは不明といい、群馬県警の大泉署が事故の状況を調べている。
子供用バイクは、免許がなくても運転できるが、公道を走ることはできない。通常は、人や車が入らないクローズされた場所で走ることになっている。
河川敷管理者の利根川上流河川事務所の副所長は5日、現場の砂利道にバイクが入れるかについて、J-CASTニュースの取材にこう話した。
「乗り入れは禁止しておらず、あくまでも自己責任」
「河川区域内の堤防に当たるところで、点検用の通路として砂利を敷いています。しかし、公道ではなく、自由に使用できる場所です。車やバイクの乗り入れ禁止という規制はなく、安全には注意しながら、あくまでも自己責任でということになります。現場付近にバイク専用のコースはありません」
周辺の住民から騒音などの苦情があれば、地元と調整して、注意を呼びかける看板を設置することもあるが、この場所はこうした看板もないという。
「オフロードバイクをここでやっているという話は、現場からは上がってきておらず、苦情もあまり聞いていません。むしろ、水上バイクの乗り入れの方がよく聞きますね」
レース用バイクのモトクロスでジュニアクラスの全日本選手権を行っている日本モーターサイクルスポーツ協会では、子供たちの練習場所について、「小学生ぐらいからレースに出場していますが、基本的にモトクロス専用の管理されたコースで練習して下さいと伝えています」と取材に話した。
モトクロスバイクについては、2019年3月に埼玉県内の荒川河川敷で当時12歳の男児が練習中のジャンプで着地時に転倒して死亡する事故が起きている。このときは、両親と一緒に来て、業者が管理するオフロードコースを走っていた。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)