日本時間の2020年11月4日朝に開票が始まった米大統領選では、共和党のドナルド・トランプ米大統領(74)と民主党のジョー・バイデン前副大統領(77)の接戦が続き、「空中戦」も活発化している。
バイデン氏が激戦州のウィスコンシン州やミシガン州での勝利を確実にし、獲得した選挙人が過半数の270人が目前に迫った。これと前後する形で、投票で不正行為が行われたとの主張が相次いだ。ネット上では「有権者よりも多くの人が投票した」との説が流れたほか、トランプ氏自身も開票について不正行為が行われたことを示唆するツイートを連発。
次々にツイッター社から「コンテンツに異議が唱えられている」とする警告の表示をつけられ、わざわざ「表示する」のリンクをたどらないとツイートに内容が見られない事態になっている。
警告文の横の「表示する」のリンクをクリックしないと内容が見られない
トランプ氏のツイートへの警告が相次いだのは日本時間の11月5日未明から朝にかけて。トランプ陣営が、ミシガン州での集計停止を求めて訴訟を起こしたことが明らかになった頃だ。
トランプ氏は0時4分のツイートで、民主党が地盤にしている場所でも「昨晩は多くの主要州でリードしていた」が、
「それから、突然出てきた票のかたまりが集計されると、魔法のようにそれ(リード)が消えた。実に奇妙だ」
と主張。0時35分には
「これは一体何なんだ?」
として、集計での不正を示唆した。2時1分には、
「ペンシルベニアでの50万票のリードを、なるべく早く消し去ろうと(編注:バイデン氏側が)懸命だ。同様に、ミシガンやその他の州でも!」
とも訴えた。
これらのツイートには、いずれも根拠が示されておらず、タイムラインで表示しようとすると、
「このツイートで共有されているコンテンツの一部またはすべてに異議が唱えられており、選挙や他の市民行事への参加方法について誤解を招いている可能性があります」
という警告と、大統領選の状況をまとめたページへのリンクが表示される状態になっている。警告文の横にある「表示する」のリンクをクリックして初めてツイートの内容が見られる仕組みだ。
保守系テレビ局も「投票率100%超え」は「正しくない」
さらにトランプ氏は、6時56分にペンシルバニア、ジョージア、ノースカロライナの3州で大幅にリードしていると主張。このツイートには
「このツイートの時点では、選挙戦の公式情報は発表されていないようです」
という説明が挿入され、続くツイートでは、ミシガン州で
「すでに広く報じられているように、投票用紙が大量に廃棄されている」
とした。このツイートには、警告の表示がつけられた。
警告がついたトランプ氏のツイート以外に、ネット上で拡散しているのが、日本でも「トレンド」入りした「投票率100%超え」の問題だ。ウィスコンシン州ミルウォーキー市の保守系テレビ局「FOX6」は、この指摘が「正しくない」と報じている。同局がウェブサイトに掲載した記事によると、トランプ陣営は
「州内で不正行為が報告されており、投票結果の有効性に深刻な疑義が出ている」
などと主張。トランプ陣営は「不正行為」の内容を示さなかったが、ラジオ番組やSNSで「登録されている人よりも多くの人が投票した」との主張が展開されているといい、FOX6も
「これは正しくない。州には360万人の有権者が登録されており、およそ330万票が投じられた」
と指摘した。選管側も「全ては公開の場で行われている」と反論しており、FOX6も
「実際に、FOX6のスタッフはケノーシャとミルウォーキーの開票を観察した」
と報じている。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)