元SMAPでオートレーサーの森且行さん(46)が、デビューから24年目を迎えて悲願の日本一を達成したことに、ネット上で驚きの声が上がっている。
本人も体力の衰えを漏らす中、勝因は一体何だったのだろうか。オートレースの専門家に話を聞いた。
トップと2番手が落車し、3番手の森さんが逃げ切る
「今年一番感動しました!おめでとう!」「この年齢で夢を叶えるって本当に素晴らしい」「SMAPのメンバーとの約束を守ってくれてありがとう」...
森さんの快挙がネットニュースで報じられると、コメント欄などでは、こんな祝福の声が相次いだ。他の元SMAPメンバーからも、お祝いメッセージが届き、「再結成に期待しますね」「6人のSMAP見たいなぁー」などと漏らす向きもあった。
森さんは、2020年11月3日に埼玉県川口市内で行われたSG(スーパーグレード)の1つ日本選手権オートレースの決勝戦で初優勝を果たし、元メンバーらに誓った日本一ついて、「約束をやっと守ることができました」と涙声で喜びを語った。1997年にオートレースにデビューしており、24年目で念願を果たしたことになる。
この日のレースでは、人気を集めたトップの鈴木圭一郎選手(25)と2番手につけた荒尾聡選手(39)が6周目で接触して落車し、3番手にいた森さんが、残り4周でトップをキープして栄冠に輝いた。
スポーツ紙各紙によると、森さんのSG初制覇は最年長(46歳)かつ最長(24年目)の記録だった。これで、戦績は、通算676勝目となり、オートレースでの優勝回数は通算32回を数える。
森さんが目標達成までここまで時間がかかった理由について、オートニュースを出しているスポーツニュース社のデスク溝口裕啓さん(58)は4日、J-CASTニュースの取材にこう話した。
「同期により強い選手が何人かおり、若手の台頭も影響した」
「今回、3番目にゴールした49歳と最年長の高橋貢選手は、SGを21回も取っており、通算1487勝を挙げ、優勝も207回を数えます。今回出ていない選手でも、SGを15回取り、通算で1184勝、優勝101回となる43歳の永井大介選手がいます。40代で森選手を超えるような成績を残している選手は何人かおり、森選手は、同期に強いライバルがいる中でこれまで戦ってきたわけです。また、若くて強い選手が次々に現れてきており、森選手は最近、決勝戦には出ていませんでした。正直、今回もSGは取れないと思っていましたので、奇跡のような勝利だと思いますね」
その奇跡を生んだ理由について、溝口さんは、こう指摘する。
「確かに、1、2番手が落車したラッキーな面はあると思いますが、本人は、練習でスタートがばっちり決まっていたと話していました。スタートの速い荒尾選手を抑えて2番手でスタートを切っており、事前のレース勘がどんぴしゃで当たったわけです。もっと後ろなら、落車があっても優勝できなかったでしょう。また、森選手は、エンジンの整備を人の倍やったと明かしており、こうした努力が実ったのだと思います。最後の2周は、タイヤが滑って、態勢を崩していましたが、根性でトップに入りましたね」
年末に予定されているSGの1つスーパースター王座決定戦については、「森選手は、飛び抜けて強いわけではなく、力不足もあります。雨に強いとされているので、優勝できるかは天候などにもよるでしょう」と話している。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)