井上尚弥「対戦候補」は...? 専門家が分析「最も脅威はリゴンドー」「カシメロは穴だらけ」

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   ボクシングのWBA、IBF世界バンタム級王者・井上尚弥(27)=大橋=の次戦に注目が集まっている。井上は2020年10月31日(日本時間11月1日)に挑戦者ジェイソン・モロニー(29)=オーストラリア=を7回KOで下し王座の防衛に成功。今後は4団体統一へ向けて動くとみられるが、井上を脅かす「挑戦者」は現れるのか。J-CASTニュース編集部は、協栄ジムの金平桂一郎会長(55)に対戦候補となるボクサーを分析してもらった。

  • 井上尚弥
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カシメロ、ウバーリ、ドネアの名が上がるも...

   井上の次期挑戦者候補として有力視されるのが、WBO世界バンタム級王者ジョンリエル・カシメロ(フィリピン)だ。当初、4月25日に3本のベルトをかけて井上と対戦する予定だったが、新型コロナウイルスの影響で試合が延期。その後、両陣営による交渉がまとまらず、カシメロは9月26日に3度目の防衛戦を行い、デューク・ミカ(ガーナ)を3回TKOで下した。

   井上が標的とするもうひとつのWBCの王座は、12月12日にタイトル戦が予定されており、王者ノルディ・ウバーリ(フランス)にノニト・ドネア(フィリピン)が挑む。王者ウバーリが勝利すれば、実弟・井上拓真の敵討ちという構図が出来上がり、ドネアが勝利すれば2019年11月以来のリマッチとなる。いずれにせよ話題性は十分で、国内外から注目されるタイトル戦になることは必至だ。

   カシメロ、ウバーリ、ドネアらが対戦候補に挙がる中、WBA世界バンタム級レギュラー王者ギレルモ・リゴンドー(キューバ)が井上戦に向けてアピールを続けている。WBAのバンタム級は井上がスーパー王者に君臨しており、リゴンドーはレギュラー王座の座に就いている。王座の格で言えば、スーパーがレギュラーの格上であるため、井上陣営がリゴンドーとの王座統一戦に魅力を感じないのも当然だろう。

「やりづらさでいえば間違いなくリゴンドーが一番」

   現在の世界バンタム級戦線で井上の一番の脅威となるボクサーは誰なのか。金平会長は「結果、あっさり終わってしまう可能性はあるが」と前置きした上で、最上位にWBAレギュラー王者リゴンドーを上げた。金平会長は2014年に大阪でリゴンドーのタイトル戦をプロモートした経験を持ち、リゴンドーの実力を高く評価している。

「やりづらさでいえば間違いなくリゴンドーが一番でしょう。井上選手はリゴンドーのようなタイプと対戦したことがない。リゴンドーは40歳で衰えてきているがスピードは健在でパンチもある。独特のボディーショットをもっており、他のボクサーとは異質の攻撃をみせる。どういうボクシングをしてくるか予測不能。井上選手と対戦するとなれば一発を狙ってくるでしょう。そしてその一発は、井上選手が今までにもらったことのないような性質のパンチだと思います。最も脅威になるでしょう」(金平会長)

   世界でもトップクラスのボクシング技術を持ちながら、ディフェンス重視のボクシングスタイルは米国ファンの支持を得ることができず、タイトルを保持しているものの試合枯れの状況にある。リゴンドーは自身のツイッターで井上戦へ必死にアピールしているが、現実的に両者の対戦の可能性は低いと言わざるを得ないだろう。

「ボクサーとしての質はドネアの方が上」

   リゴンドーはかつて米国の大手プロモート会社であるトップランク社と契約し、現在は契約を解消している。井上を米国内でプロモートしているのがトップランク社ということもあり、一筋縄ではいきそうにない。金平会長は「リゴンドーがトップランクを離れた原因は分かりませんが、元トップランクの選手ですから井上選手との対戦に関して難しい面があると思います」と言及する。

   金平会長がリゴンドーの次に脅威としたのがドネアだ。現時点でベルトは保持していないが世界5階級制覇のフィリピンのレジェンドだ。金平氏はドネアとWBO王者カシメロを比較し、ボクサーとしての「質の違い」を指摘した。

「カシメロは勢いがあるが、もともと持っているボクサーとしての質はドネアの方が上でしょう。カシメロは野球でいえば一発のあるホームランバッター。攻撃力はあるが穴だらけ。攻撃が粗いので、井上選手だったらパンチを見切ることが出来ると思うし、カウンターの餌食になるでしょう。実力的にいったらドネア、カシメロの次にウバーリ。井上選手の弟さんの敵討ちという話題性はあるかもしれないが、残念ながら結果は見えている」(金平会長)
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