「ご協力を呼びかける形になります」
観光庁観光産業課の担当者は10月30日、J-CASTニュースの取材に「Go To トラベルを実際に動かしてきたところ、本来の制度趣旨である『観光需要の喚起』とはかけ離れた使い方も出てきました。7月の開始当初は人の移動がほとんどなかったのが、9月ごろから動くようになってきたので、本来の目的に注力できるようにしようと軌道修正をしました」と話す。
ビジネス目的の出張が観光目的の旅行と違うのは「会社で費用を出している」点にあるとする。一方で「ビジネスか観光か、切り分けにくいところは確かにある」とも話す。まず区分できるものとして、先の発表にあった「法人の出張手配を目的とした予約サイト」のほか、「法人向けクレジットカード」を使ったものなどを対象外にし、Go To トラベルの給付は個人が支出する観光需要にあてるという。
ただ、一般的な宿泊予約サイトでホテルを予約し出張に利用するような場合、外見上「ビジネス目的」とは判断しづらい。一方で、観光目的でも宿泊費を抑えようとビジネスホテルを利用するケースもあるため、単に「ビジネスホテルはGo To トラベルの対象外」とすることも難しい。担当者はこう話す。
「それはその通りで、ビジネスホテルを対象外にするわけではありません。宿泊施設の食事でなく、街中のお店で食事したいという方などが、ビジネスホテルに泊まって観光するスタイルはよくあります。
法人用サイトや法人向けクレジットカード以外で、ビジネス目的を対象外にするにあたっては『企業からお金が出る出張目的の宿泊は、Go To トラベルの利用を控えていただきますようお願いします』とご協力を呼びかける形になります。
厳密に区分することは不可能ではないかもしれませんが、厳密なルールをつくると今度は宿泊施設や旅行会社に負荷がかかり、現場で混乱することも増えるでしょう。現場が動かなくなったら本末転倒ですので、そのバランスをとれるところで工夫していきます」
Go To トラベル事務局のサイトでは今回、通常の宿泊料金を著しく超えるサービス・商品を提供する旅行商品、ヨガライセンス講習、英会話講習付き宿泊プラン、ダイビング免許付き宿泊プランなども対象外商品になると列挙。同じ10月29日には「接待等を伴うコンパニオンサービスを含む商品」も対象外にした。これらは11月6日の予約販売分から適用される。また10月30日には、1回で8泊以上の宿泊を伴う旅行の場合、7泊までを支援対象とする制限の導入も発表。こちらは11月17日以降の予約販売分から適用される。
(J-CASTニュース編集部 青木正典)