二重行政の解消を目指した大阪都構想が住民投票で否決され、看板政策を失った大阪維新の会が今後どうなるかに注目が集まっている。
代表の松井一郎大阪市長が引退を表明したことで、求心力低下の懸念も指摘されている。松井氏は、代表を辞任する意向とも報じられており、維新は、存亡の危機に立っているのだろうか。
維新人気と都構想とは別物との見方も強いが...
「目標そのものを失ってしまったと言っても過言ではない」
「もう松井市長も吉村知事も昨日までのやる気と熱意はないだろう」
「松井・橋下を失ったおおさかの維新は退潮を免れない」
住民投票の結果が2020年11月1日の深夜に判明し、維新の敗北がネットニュースで伝えられると、そのコメント欄やツイッター上でこんな声も書き込まれた。
投票率は62.35%で、5年前の前回より4ポイント下回り、賛成票は伸びなかった。今回も、約1万7000票の僅差で維新は破れ、会見した松井市長は、前もって明言していた通り、「けじめをつけなければならない」と23年3月の任期満了をもって政界を引退することを明らかにした。
発言通りなら、前回の橋下徹元大阪市長と同様な結末を迎えることになる。また、2人3脚で訴えてきた代表代行の吉村洋文大阪府知事は、「僕が都構想に挑戦することはない」として、3度目は否定した。
松井市長は、国政政党の日本維新の会代表も務めており、1年以内にある総選挙などへの影響もあるとみられている。
もっとも、松井、吉村両氏とも、19年4月の大阪ダブル選挙では圧勝しており、「知事や市長の行政そのものが否定されたのではない」「財政破綻寸前だった大阪がここまで成長したのは紛れもなく維新の功績」などとして、維新人気と都構想とは別物との見方も強い。