岡田光世「トランプのアメリカ」で暮らす人たち
選挙直前の祈り、断食、衝突、そして暴動の気配

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断食を呼びかけるバイデン支持者

   フリーダの友人たちのように、トランプ氏再選を祈り、断食している人は少なくない。夜まで飲食を控える、夜もパンと水だけで過ごす、などそのやり方はさまざまだ。

   バイデン氏の勝利を願って断食し、祈り続けている人たちもいる。ニューヨークの街角で出会ったソニヤ(34)は、米中西部イリノイ州のキリスト教の家庭で育ったが、成人すると次第に教会から遠ざかり、祈りを捧げることも滅多になくなったという。

「トランプの4年間は耐えられないものだった。何が何でも、彼にはホワイトハウスから出て行ってほしい。正気と正義を取り戻さなきゃ、この国は大変なことになる。今、20年ぶりくらいに、真剣に祈りを捧げているわ」

   トランプだけでなくバイデン支持者の中にも、「これから選挙結果が出るまで、ともに断食し、祈りましょう」とネットで呼びかける人たちがいる。

   祈りは、キリスト教徒に限らない。ユダヤ教やイスラム教の中にも、トランプ支持者もいれば、バイデン支持者もいる。

   また、誰が当選するにしても不正のない選挙となることを、心から祈る人たちも多い。

   冷たい雨が降るなか、11月1日(日)、ニューヨーク市とその周辺で、1週間前に続いて、トランプ支持者らが大規模な集会を開いた(この連載の前々回「ニューヨークで『トランプ支持』大集会の異常事態」)

   大きな星条旗やトランプ支持の旗をなびかせ、100台もの車を連ねて走り、道路や橋を占拠。マンハッタンでは、約300人の反トランプ派と衝突し大混乱になり、大勢の警官が出動。ジャーナリストなど、逮捕者が相次いだ。

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