岡田光世「トランプのアメリカ」で暮らす人たち
本人を間近に見て感じた「トランプの魔力」

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「ラストベルト」は今もトランプ支持

   集会の列には、日本人グループもいた。州内の宗教イベントに出席するために日本や韓国から300人が訪れ、州内各地のトランプ集会にも駆けつけているという。

   トランプ氏を乗せた車が目の前を通り過ぎると、彼をひと目見ようと人々が押し寄せ、大歓声が沸き起こり、「USA!」「4 more years!」の合唱。まるでロックスターのコンサート会場のようだ。

   結局、集会が始まっても、私を含む多くの人たちが会場に入れなかった。設置された大きなスクリーンの前に集まり、トランプ氏の姿が映し出されるのを今か今かと待っている。

   私が話した限りでは、集まった支持者の多くは地元の人たちだった。アレンタウンは人口約12万人。フィラデルフィア、ピッツバーグに次ぐ州内第3位の都市だ。

   この街は、鉄鋼などの工場が次々に閉鎖され、ラストベルト(さびついた工場地帯)となった。もう40年も前の歌だが、ビリー・ジョエルが「アレンタウン」で、失業者が溢れるこの街の悲哀を歌っている。

   1995年に閉鎖されて廃墟となった製鉄所「ベツレヘム・スチール」の跡地をカジノや観光に生かすなど、新しい形の街づくりを模索しているが、こうした地域で社会から忘れ去られたと感じる白人が、トランプ支持者層の中には少なくない。

   郊外に住む女性の支持をトランプ氏は失いつつあると報道されているが、列に並ぶ人たちの中には女性、そして若者も多い。

   私の目の前に、地元で石油産業に携わるグループが、会社のロゴ入りの服を着て並んでいた。

「この選挙戦には、俺たちの生活がかかってるんだ。民主党は化石燃料(石油、石炭、天然ガスなど)産業を取り上げようとしている」

   その4日前に行われた大統領候補の最終討論会で、ジョー・バイデン氏は、いずれは石油から、太陽光、風力などの汚染物質が出ない電力源にシフトする必要性を訴え、化石燃料補助金を廃止する方針に触れた。

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