岡田光世「トランプのアメリカ」で暮らす人たち
本人を間近に見て感じた「トランプの魔力」

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   トランプ氏が直接、支持者に語りかける大集会。テレビでも熱狂ぶりは伝わってくるが、この目で見てみたいと突然、思い立った。

   2020年10月26日に開かれるペンシルベニア州アレンタウンでの集会の前夜10時、チケット(無料)はまだ、ネットで入手できた。

  • ペンシルベニア州アレンタウンで開かれた支持者の集会で演説するトランプ氏(2020年10月、筆者撮影)
    ペンシルベニア州アレンタウンで開かれた支持者の集会で演説するトランプ氏(2020年10月、筆者撮影)
  • ペンシルベニア州アレンタウンで開かれた支持者の集会で演説するトランプ氏(2020年10月、筆者撮影)

この目で見たいとペンシルべニアへ

   友人のほとんどはトランプ氏を毛嫌いしており、そんなことを口に出せる雰囲気ではない。私はデビーを誘ってみた。彼女は、その9割がトランプ支持とも言われる正統派ユダヤ教徒だ。夫も娘4人もトランプ支持だが、デビーだけは4年前の大統領選でヒラリー・クリントン氏に投票した。オバマ氏が大統領になった時には、黒人が歩んできた道のりを思って涙したという。黒人の次は女性の大統領を、との願いも強かった。

「トランプは好きじゃない。女性を蔑む発言を繰り返し、性的嫌がらせであり得ない数の訴訟を抱えている男よ」

   しかし、「一生に一度の機会」という私の説得に、「会場では無言でいるわよ」とついに折れた。

   デビーを誘ったのは、彼女が少し前に私に、「迷ったけれど、今回はしぶしぶトランプに投票する」と、次のように話していたからだ。

「新型コロナウイルス感染予防のために礼拝や葬儀に出られず、ビジネスも制限され、皆が自由を奪われているのに、BLMの大規模な抗議デモは許されるの? しかも暴動に対して、デ・ブラジオ(ニューヨーク市長、民主党)は弱腰だった。彼が支持する民主党には入れたくないから、共和党のトランプに投票する」
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