風評被害対策などの検討をさらに深めることを確認
こうした反発を受け、政府は23日、関係省庁でつくる対策チームの会合で、風評被害への対策などの検討をさらに深めることを確認した。梶山経産相は会合後の会見で「(処理水を)処分する場合、風評被害を受ける方々に寄り添い、国が前面に立って風評の払拭に取り組んでいく必要がある」との認識を強調した。「27日に決めることはない」と明言した。
原子力規制委員会の更田豊志委員長が風評被害への対策として、測定の精度を高めた監視を行う方針を示している。このほか、福島県産品の販売促進や処理水の安全性の国内外への情報発信強化はもちろん、被害発生の際の賠償なども含め、政府として風評被害への具体的対応策をまとめていくことが不可欠で、漁業者らとも協議を続けていく考えだが、理解を得るのは容易ではない。
梶山経産相は「早期に(処分の)方針を決定する必要がある」とも述べており、「一定の対策の方向性を示したうえで海洋放出を決め、実際の放出までの2年程度の間に、理解を広げていくことになるのではないか」(大手紙経済部デスク)との見方が強まっている。