伊藤健太郎、ひき逃げ翌日逮捕のナゼ 若狭勝弁護士「事故対応で弁解したからでは」

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   ひき逃げの疑いで逮捕された俳優の伊藤健太郎容疑者(23)に対し、被害者を救助しなかったことを非難する声がネット上で相次いでいる。

   重罪とされるひき逃げだが、実刑ではなく執行猶予は付くのだろうか。元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士に話を聞いた。

  • 所属事務所はツイッター上などで全面的に謝罪
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「救急車呼ばないとだめ」などとネットで厳しい声

   「きっと一瞬にして仕事関係の事が過ぎったのだと思う」「まだ若いし、パニックにもなってしまったんでしょう」。伊藤容疑者に対しては、こう推測する向きもあったが、事件の状況が報道で分かってくると、ネット上で厳しい声が大勢を占めた。

   各メディアの報道やテレビのドラレコ映像によると、伊藤容疑者は2020年10月28日18時前、東京都渋谷区千駄ヶ谷の片側2車線ある外苑西通り交差点で、乗用車をUターンさせたところ、反対車線から直進してきた2人乗りのバイクと接触した。

   バイクは転倒して、2人は路上に投げ出されたが、伊藤容疑者の車はそのまま現場から離れた。目撃した車がクラクションを鳴らしながら百数十メートル追いかけて、伊藤容疑者の車を停車させ、現場に戻るよう説得すると、伊藤容疑者はようやく従って3分後ぐらいに戻ったという。

   この事故で、バイクの2人が病院に搬送され、運転していた男性(26)が腕に軽いケガをし、同乗者の女性(27)は左足の骨を折る重傷を負った。

   伊藤容疑者は、翌29日になって、道交法違反(ひき逃げ)などの疑いで警視庁に逮捕された。調べに対して、「現場から離れてしまったことに間違いありません」などと供述し、容疑を認めているという。当時は、1人で運転しており、アルコ―ルは検出されなかったとも報じられている。

   こうした報道を受け、ニュースサイトのコメント欄やツイッター上では、「救急車呼ばないとだめ」「直ぐに対処してたら仕事復帰も早目に出来たかもしれないのに」「最も最悪な選択をしたツケはこれから払うことになる」などと嘆く声が書き込まれている。

「示談あれば罰金50万円、なければ...」

   伊藤容疑者が1日経って逮捕された理由について、若狭勝弁護士は10月29日、J-CASTニュースの取材に次のように話した。

「事情聴取の段階で、素直に正直に供述していれば、逮捕されなかった可能性もあったと思います。事故対応で『逃げるつもりがなかった』などと弁解したのではないでしょうか。供述があいまいだったため、証拠隠滅などの恐れを考えたのだと思います。助かる命が助からないことを防ぐため、救護義務違反に対しては厳しく対応することになっています。今回も、逃げて所在が分からなくなるようなら、逮捕されていました」

   伊藤容疑者の起訴や裁判の見通しについては、こう言う。

「起訴猶予として不起訴処分になることは、ひき逃げ事件ではないと思います。弁護士が動いて被害者との示談が成立すれば、略式起訴されて、50万円ぐらいの罰金になるのでは。被害者が怒って示談にならなければ、裁判になって、懲役1年、執行猶予3年ぐらいの判決が出ると思います。実刑はないでしょう」

   検察は、30日に勾留請求する可能性は高いが、裁判所が認めない可能性もあるとした。前方不注視という一般過失の可能性が高く、いったん離れても事故現場に戻っていることなどは、情状酌量の対象になるからだという。その場合は、伊藤容疑者は釈放される。起訴前にも釈放される可能性があり、起訴後には保釈されるはずだとしている。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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