「示談あれば罰金50万円、なければ...」
伊藤容疑者が1日経って逮捕された理由について、若狭勝弁護士は10月29日、J-CASTニュースの取材に次のように話した。
「事情聴取の段階で、素直に正直に供述していれば、逮捕されなかった可能性もあったと思います。事故対応で『逃げるつもりがなかった』などと弁解したのではないでしょうか。供述があいまいだったため、証拠隠滅などの恐れを考えたのだと思います。助かる命が助からないことを防ぐため、救護義務違反に対しては厳しく対応することになっています。今回も、逃げて所在が分からなくなるようなら、逮捕されていました」
伊藤容疑者の起訴や裁判の見通しについては、こう言う。
「起訴猶予として不起訴処分になることは、ひき逃げ事件ではないと思います。弁護士が動いて被害者との示談が成立すれば、略式起訴されて、50万円ぐらいの罰金になるのでは。被害者が怒って示談にならなければ、裁判になって、懲役1年、執行猶予3年ぐらいの判決が出ると思います。実刑はないでしょう」
検察は、30日に勾留請求する可能性は高いが、裁判所が認めない可能性もあるとした。前方不注視という一般過失の可能性が高く、いったん離れても事故現場に戻っていることなどは、情状酌量の対象になるからだという。その場合は、伊藤容疑者は釈放される。起訴前にも釈放される可能性があり、起訴後には保釈されるはずだとしている。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)