総合インテリア販売の大塚家具は、代表取締役社長の大塚久美子氏が2020年12月1日付で退任することを10月28日に発表した。
「大塚家具をよろしくお願いいたします」
ヤマダホールディングス(HD)との資本提携による「シナジーの実現」に進捗があったことや、今期は通期赤字を見込むものの、来期の黒字化への道筋がつきつつあることから、「過去の業績についての責任を明確にする意味」で、本人より代表取締役社長および取締役を辞任したいとの申し出があったという。
「一層の連携強化により業績回復を加速化するため」、12月1日からはヤマダHD社長で大塚家具会長の三嶋恒夫氏が、社長職を兼任するとした。
大塚社長は退任発表があった28日に自身のツイッターを更新し、
「皆さまからの温かいメッセージ、心に沁みます。ありがとうございます。私は今後も大塚家具を側面サポートしていきます。皆さまもどうぞ、大塚家具をよろしくお願いいたします」
とつづった。
大塚家具は以前に創業者の大塚勝久氏と長女の久美子氏が経営権をめぐって委任状争奪戦(プロキシーファイト)が繰り広げられたことが知られており、15年3月の株主総会で久美子氏が勝利。勝久氏は大塚家具を去り、「匠大塚」を設立した。
その後、大塚家具は経営不振に陥り、16年12月期から2020年4月期まで4期連続の赤字となった。7月30日の大塚久美子社長名義の発表の中では、「結果的に4期連続して営業利益及び営業キャッシュ・フローがマイナスの状況」となった理由として「2015年のプロキシファイトによるブランドイメージの低下」などを挙げていた。