スポーツ報知が2020年10月28日、日本ハム・斎藤佑樹投手(32)が右肘の手術を検討していると報じた。
ファンからは辛らつな声が少なくないが、"完全復活"へ期待の声も上がっている。
「加齢による劣化は殆ど見られない」
入団時、150キロ近い速球を主体に抜群の制球力を誇った斎藤投手だが、近年は見る影がない。
プロ二年目に負った右肩関節唇損傷の影響で、翌シーズンからコンパクトなフォームに改造したが、ストレートは130キロ台に落ち、コントロールも悪化した。
本人は18年放送のドキュメンタリー番組「バース・デイ」(TBS系)で、これまで右肩のケガを引きずっていたものの、ようやくそんな自分を受け入れることができたと語っていたが、以降も満足いく結果を残せていない。今季の1軍出場は無く、ファームでは19試合で1勝3敗、防御率9.31(28日現在)と打ち込まれている。
追い打ちをかけるようにケガの知らせだ。スポーツ報知によれば、今期は右肘痛に悩まされ、手術を含めてさまざまな治療法を検討しているという。仮に、保存療法でなく肘にメスをいれることになれば、長期離脱は不可避だ。
報道を受け、ファンから厳しい意見が飛び交っているが、「俺は10勝してくれる日を待ってるぞ」「入団後の加齢による劣化は殆ど見られないので復活は可能かも知れない」と一縷(いちる)の望みを見出す人も少なくない。
一番の理解者も支えに?
手術となれば、右肘靭帯(じんたい)の再建手術(トミー・ジョン手術)が考えられる。カムバックを果たした選手は、ダルビッシュ有投手(カブス)や五十嵐亮太投手(ヤクルト)、ロベルト・スアレス投手(阪神)などがいる。館山昌平投手(元ヤクルト)は3度の再建手術から6勝を挙げ、15年にカムバック賞を受賞した。
今季も、巨人の19年ドラ一の堀田賢慎投手をはじめ、東克樹投手(DeNA)、石川直也投手(日本ハム)、種市篤暉投手(ロッテ)らが踏み切った。
斎藤投手の一番の理解者といっていい栗山英樹監督も、来期続投の方針が報じられている。満身創痍の右腕。かつての開幕投手は輝きを取り戻せるか。