3ブランド間で「カニバリゼーション」起きないか
中距離LCCでは、傘下にZIPAIR(ジップエア)を持つ日本航空(JAL)が先行する。20年6月に成田-バンコク(スワンナプーム)間を貨物便として運航を始め、9月に貨物便として運航してきた成田-ソウル(仁川)線は10月に旅客便としても運航を始めた。JALで飛んでいたボーイング787型機を利用しているという点でも、ANAの「第3のブランド」と同じだ。片野坂氏は
「競合会社と違って、我々はピーチを10年以上運航してきた実績がある(編注:ピーチの運航開始は12年3月)。新しい会社を設立するのではなくて、すでにエアージャパンという免許を持っている。こういった強みを生かせると思っている」
などとして、ジップエアと差別化を図りたい考えだ。
課題になりそうなのが、路線が3ブランド間で競合する「カニバリゼーション」だ。例えばピーチは、中距離路線進出の意向をたびたび表明してきた。片野坂氏は
「カニバリを発生させないような路線はアジアには非常にいっぱいある。シェムリアップ(カンボジア)とか、ピーチですら飛んでいないようなところもある。アジア、オセアニアのマーケットは、非常に可能性が高いと思っている」(片野坂氏)
として、すみ分けを図る考えだ。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)