「日々の衣食住を維持することもままならない」
クラウドファンディングページの中でも、大原美術館は今後の運営に向けて強い危機感を募らせている。
「代替の収入確保が難しいなか、大原美術館にとっての現状は、日々の運営体制の継続が非常に厳しい・・・すなわち開館継続が危うい一大危機を迎えています」
「現在の大原美術館は、家庭に例えれば、この先日々の衣食住を維持することもままならない状況です」
柳沢さんによると、もともとは、同じ倉敷・美観地区内にある、大正時代に建てられた旧中国銀行の建物を美術館に改築する計画の中で、クラウドファンディングの実施を検討していた。しかし、美術館自体の運営が厳しくなったこともあり、方針を転換。美術館の運営資金を募ることとなった。
美術館はクラウドファンディングのページ内で「皆様のご支援により、まずは作品のための適切な保存環境を維持したうえで、なによりも、作品との出会いの場を提供するために『開館を続ける』ことを目指します」と宣言。開館継続に向けて寄付を呼びかけた。目標金額は1000万円で、集まった金額は2021年内の運営資金に充てられる。