日本はなぜ核兵器禁止条約を批准できないのか 野党も「理解」しているその理由

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   核兵器の製造、保有、使用などを全面的に禁じる核兵器禁止条約を批准した国・地域が2020年10月24日(米東部時間)、発効に必要な50に達した。90日後の21年1月22日に発効する。

   中米ホンジュラスが新たに批准したことで発効が決まった。批准したのは小国や島国が多いのが特徴で、「核の傘」の恩恵を受ける日本や韓国、北大西洋条約機構(NATO)の加盟国は批准していない。10月25日朝放送の「日曜討論」(NHK)では、自民党、公明党、立憲民主党、国民民主党、日本維新の会、共産党の幹部が出演。自民以外が発効を歓迎し、批准を求める声が相次ぐ一方で、立憲の福山哲郎幹事長は「核の傘との両立をどうするのか、というのは非常に難しい状況だと思う」とも。批准にはハードルがあり、それを超えるために与野党の垣根を超えた議論が必要だとの見方を示した。

  • 9月26日の「核兵器の全面的廃絶のための国際デー」に合わせて開かれた国連総会のハイレベル会合では、条約批准を表明する国が相次いだ(UN Photo/Rick Bajornas)
    9月26日の「核兵器の全面的廃絶のための国際デー」に合わせて開かれた国連総会のハイレベル会合では、条約批准を表明する国が相次いだ(UN Photo/Rick Bajornas)
  • 9月26日の「核兵器の全面的廃絶のための国際デー」に合わせて開かれた国連総会のハイレベル会合では、条約批准を表明する国が相次いだ(UN Photo/Rick Bajornas)

自民・柴山氏「特に核兵器保有国に対して非常に現実味が薄いのではないか」

   出演した6人の中で唯一発効を「歓迎」しなかった自民党の柴山昌彦幹事長代理は

「日本は当然、その理念は共有するところだが、実効性の確保や工程表の面で、特に核兵器保有国に対して非常に現実味が薄いのではないかということから、批准については保留をしてきたところだ。今回、実際に発効したという新しい状況を踏まえてこうしたこれまでの議論をしっかりと踏まえつつ、対応するべきだと思っている」

などと述べた。

   前提を置かずに日本も批准すべきだとしたのは国民、共産の2党で、

「もちろん日米安保条約を基軸にしつつも、米中二極対立ではない多国間の国際協調主義ということを前提とした上では、やはり核兵器禁止条約には参加すべき」(国民・岸本周平幹事長代理)
「やっぱり今、国際社会は核兵器廃絶か、それとも固執するのか、そこに二分されている。核兵器廃絶の大きな流れが1歩進み始めたわけで、やっぱり日本の立ち位置が私は問われていると思う。唯一の戦争被爆国として日本の政府が核兵器禁止条約に一刻も早く署名・批准することを求めていきたい」(共産・小池晃書記局長)

などと述べた。

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