「核のごみ」受け入れに手挙げた2町村 今後のプロセスは?

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「複数応募」こだわった経産省

   今回、経産省は、東洋町の教訓も生かし、注意深く準備してきた。各地の説明会を実施する中で、関心を示す自治体には勉強会や講演会などの費用を、NUMOが支援しており、2019年から、寿都町の勉強会には北海道経産局の職員、神恵内村の商工会の勉強会にはNUMO職員が参加してきた。東洋町では、全国初、しかも1自治体のみの動きだったことから全国の注目を集め、反対運動が一気に燃え上がった。その二の舞を避けるため、複数の自治体の同時応募の形にすることに経産省は腐心したという。処分場に関心を示す自治体は「80団体以上」(梶山弘志経産相)といい、経産省は、さらに10自治体程度が手を挙げることを期待している。

   とにもかくにも、経産省の「奮闘」で、処分場選定に向けた第1歩を踏み出したのは間違いないが、先行きは不透明だ。

   まず、両町村の立地条件だ。「科学的特性マップ」では、神恵内のほとんどの地域が「適地」にはふくまれず、わずかな適地にも巨大な施設の建設には向かない小高い山が連なる。寿都町は適地とされる平地が少なく、反原発団体などから、調査対象として意味があるのか、疑問視する声も出る。

   「放射性廃棄物の持ち込みは慎重に対処すべきであり、受け入れがたいことを宣言する」と明記する北海道の「核抜き」条例(2000年制定)もある。持ち込みを禁じてはいないなど、「実効性がない」(片岡町長)とも指摘されるが、鈴木知事は概要調査に進む際には「反対する」と明言しており、知事の反対を押し切って進めるのは容易ではない。

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