【追記あり】ベガルタ仙台「募金」中断 コロナ経営難で呼びかけも道渕DVで批判相次ぎ...「深く反省の意」示す

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   サッカーJ1・ベガルタ仙台は2020年10月22日、経営難のため9月から呼びかけていたクラウドファンディングなどによる募金を中断すると発表した。10月20日に発覚した、MF道渕諒平の交際女性に対する暴言暴行などの不祥事が原因としている。

  • ベガルタ仙台が募金の中断を発表した(クラブ公式サイトより)
    ベガルタ仙台が募金の中断を発表した(クラブ公式サイトより)
  • ベガルタ仙台が募金の中断を発表した(クラブ公式サイトより)

CFページは「当クラブでは運用を中止することができません」

   道渕の問題は10月20日、週刊誌「FLASH」の報道で発覚。交際女性にDV(家庭内暴力)を繰り返し、傷害罪容疑で逮捕されていたと報じられた。同日に仙台は道渕の契約解除を発表し、クラブが把握している事実も説明。道渕の「女性とのトラブル」を8月14日に認識し、当人同士で合意のうえ解決したとの報告を9月5日に受けていたとした。所属選手の問題を認識していたものの非公表としており、道渕自身は9月20日から公式戦にも出場。報道ですべてが明るみになってから一転して、契約解除と公表に踏み切った形となった。

   募金を開始したのは、クラブが道渕の問題を非公表としていた9月26日のこと。クラウドファンディング(CF)や口座振込などによる支援を募り始めた。新型コロナウイルス禍で、見込み通りであれば今期末3億800万円の債務超過になるという経営難が理由だが、所属選手の不祥事を隠したままの形でサポーターの寄付を呼びかけたクラブの判断は、問題発覚後に不信感を抱いたという声もインターネット上では少なくなかった。

   そうした中、仙台は10月22日、

「この度の当クラブ選手の不祥事につきましては誠に申し訳なく、ご支援いただきました皆様に心からお詫びを申し上げます。今回の事態を真摯に受け止め深く反省の意をお示しいたしたく、9月26日よりスタートいたしましたクラブ緊急募金の募集を中断することといたしましたのでお知らせします」

と募金の募集中断を発表した。

   募金は指定した口座振込のほか、CFサイト「CAMPFIRE」を通じても集めていた。CFの対応についてこう説明している。

「『クラウドファンディング(寄付型)』につきましては、本サイトからリンクができないようにいたしました。クラブ緊急募金プロジェクトページ(CAMPFIREサイト)は、当クラブでは運用を中止することができませんので、誤ってご支援いただくことがないようご注意ください。(一部のSNS等から当該ページに接続できることがあります)万が一、誤ってご支援いただいてもご返金できかねますのでご理解ください」

   そのうえで「ベガルタ仙台のファン、サポーターの皆様、株主、スポンサーの皆様、Jリーグや各クラブの関係者の皆様に、ご迷惑とご心配をお掛けしましたことを重ねてお詫び申し上げます」と謝罪した。

   J-CASTニュースは22日、仙台に対し、すでに集まっているという1512万3936円(6日現在)のお金の扱いはどうなるのかなどについて取材を申し込んでいる。回答があれば追って伝える。

(追記:22日17時10分)返金は「現在考えておりません」

   ベガルタ仙台の地域連携部担当は22日、J-CASTニュースの取材に、中断までに集まった募金について「クラブ運営費として使わせていただき、時期が来たら使途の報告をします」とし、返金は「現在考えておりません」と話した。道渕の一連の問題は募金の担当部署はじめ、クラブのほとんどの職員に知らされていなかったという。

   仮に、すでに募金した人から、道渕の問題を受けて返金を希望する申し出があった場合、「そのような申し出は現時点でこちらでは頂戴しておらず、(返金するかしないかは)コメントできません。ただ、もしそうした連絡を頂いたら、ご説明する義務がありますので、真摯に対応したいと思っております」と話した。

   もともと募金の募集期間は21年1月16日までだった。募集期間を終えた後、最終的な募金総額の報告などを経た上で、運営費として使用する流れだった。そのため現在集まっている金額は手つかずのまま口座に入っているという。

   担当者は「今も(報道以降も)ご支援くださるサポーターがいらっしゃいます。募金の目的は消滅の危機にあるクラブ存続のためであり、その意思でお金を頂戴していると受け止めています。このような事態があったことは真摯に反省し、当初の目的であるクラブ存続のために注力したいと考えています」と話した。

   クラブは深刻な経営難だが、担当者は「ご理解を得られない状況で募金の継続はできない」と判断したことを改めて示し、資金の工面について「非常に苦しい状況に立たされていますが、広告収益やチケット収入の増加など、一層の営業努力を募金中断前以上にやっていくしかないと思っています」と話している。

(J-CASTニュース編集部 青木正典)

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