腸内環境をチェックするにはどうしたらよいか
では、腸内環境のコンディションを調べるバロメーターは何だろうか。まず自分で分かる簡単な判断基準は、便のニオイが悪化したり、便秘気味になったりしてないかどうかだ。便のニオイが気になったり、便が毎日出ない、毎日出ても残便感が残ったりなどの自覚症状がある場合は、大腸の善玉菌が劣勢で腸内環境が悪化している兆しになりうる。「同じメニューで食事をしている家族なら、お父さんの後のトイレのニオイが気になり始めると要注意かもしれません。同じ食事なら腸内細菌のバランスも似てきます。まずは自分の便と大腸の状態を意識することが一番です」(松井教授)。また最近では健康診断のオプションなどでも、検便による腸内フローラ(腸内細菌)検査という専門的な検査も可能なので、加齢で身体の健康が気になってきたら、人間ドックなどの際に定期的に調べてみるのもよいかもしれない。
ビフィズス菌入りヨーグルト+エサとなる水溶性食物繊維を摂り始めて便通がよくなれば改善効果が出ている証拠だが、そこで安心して元の食事に戻ってしまうと腸内細菌も2週間で元にもどってしまうので、継続が肝心だ。
松井教授は「腸内環境は日々の自分の生活が作る。この自覚が大切です。腸内細菌のバランスを意識し、多様性を保つことがいいですね」と解説した。制限の多いダメダメづくしの食生活はかえってストレスの元になり、本末転倒に。好きなものも食べつつ、ビフィズス菌入りヨーグルトや水溶性食物繊維などを足して、トータルで大腸によい、ストレスのない生活習慣を続けていきたいものだ。