求人サイト「IT求人ナビ」などを運営するシステム開発会社「アクロビジョン」が、他社のメディアやブログ記事と酷似する記事を多数掲載していたことがわかった。被害にあった複数の企業や個人が明かした。露骨なコピペ、「盗用」が疑われるようなものもあり、被害者側からは困惑、憤りの声が上がっている。
同社はJ-CASTニュースの取材に「社内の体制やノウハウが確立できておらず、管理側が気づかなかった」と非を認め、社内調査する意向を示した。
無断転載された企業「ほぼ完全な形でのコピペ」
IT求人ナビでは「コラム」と題し、IT業界の動向や技術解説、就職活動のポイント、おすすめの資格などに関する記事を掲載する。
記事はここ数か月、驚異的な頻度で更新されていた。20年5月までに本数は9本のみにとどまっていたが、以降は連日のように配信され、2020年10月16日時点で1806本ある。
専門性の高い記事が多く、筆者の持論や経験も一部で盛り込まれているが、すべての記事で筆者名は明かされていない。引用元は示しておらず、オリジナル記事の体裁だ。
しかし、J-CASTニュース編集部で数十本の記事を調べたところ、他社のオウンドメディアや個人ブログで、酷似する記事が多数見つかった。内容が全く同じものから、構成や言い回しを微妙に変えたもの、さまざまなサイトの文章をつなぎあわせたようなものまであった。
例えば、10月13日付記事「運用設計書の重要性」と、IT企業「アールワークス」が19年1月に公開した記事「運用設計とは?サービスを安定稼働させるための項目定義」を分析ツールで調べると、文章の類似度は10点中9.4点だった。
アールワークスの担当者によれば、記事は同社が刊行した書籍をもとにしたオリジナル記事だという。記事を比較してもらうと、「ほぼ完全な形でのコピペであり、当該記事執筆者からの流用の事前承認等の連絡もございません。今回ご連絡いただき、当記事の存在を初めて知りました」と困惑する。