ミス東大候補者「セクハラがあった」などと訴え 主催の広研は一部認め謝罪、大学は「早急に事実確認進める」

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   ミス東大を決めるコンテストについて、候補者の1人が「セクハラがあった」などとSNS上で運営側を批判し、主催する東大広告研究会も事実関係を一部認めてツイッターで謝罪した。

   ただ、この候補者は、納得がいかない部分もあると明かし、双方で話し合いが続けられている。大学の広報課は、事実確認を急ぐとするとともに、セクハラの訴えには、「そうした事実があったとすれば大変遺憾なこと」などと言っている。

  • ミスコンのあり方で出場者から批判も出た
    ミスコンのあり方で出場者から批判も出た
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お金を出せば無制限に投票できるとして、候補者間で不公平だとも指摘

   「本日は、少し悲しいお知らせになってしまいます」。候補者の東大生女性は2020年10月15日、インスタで行ったライブで最初にこう告白した。

   女性は、駒場祭に合わせて11月15日に東京・有楽町のヒューリックホール東京で行われるミス東大コンテストのファイナルに出場する予定になっている。

   女性によると、コンテストに出てほしいと運営に頼まれて出場を決め、当初は、候補者間の公平を担保するために、チケット購入者が1人1票を投票できるといった内容の説明を受けた。

   ところが、運営側は、費用がかかる会場を候補者に説明せずに選んだといい、クラウドファンディングサイト上で約250万円を目標に支援を募り始めた。そして、無制限に投票できるよう候補者に説明せずに決めたといい、それに気づいた女性が10月15日に質問しても、十分な説明が得られなかったという。

   クラファンでは、候補者が支援を呼びかける形になっているため、金儲けをしているとも捉えられかねず、「本当に心苦しい」と心境を吐露した。「SNSで叩かれるのは、私たち候補者側だ」として、「今は、完全に課金ゲームとなっています」と運営側を批判した。チケットの買い占めが起きると、お金をたくさん出したパトロンの存在が大きくなり、不公平なコンテストになるとも指摘している。

   さらに、女性は、ファイナリスト5人のお披露目の日に、「セクハラなどもございました」と明かした。

登録情報を照合しているとして、チケット買い占めの可能性は否定

   この候補者女性のツイッターによると、外部に先行して内部でお披露目会があったときに、広告研究会のメンバーが皆の前で、生々しい性的な質問を複数するなどして、不快だったという。

   インスタのライブでは、お酒の一気飲みコールが行われたことも明かし、泣き出した候補者もいたが、運営側は、研究会の「伝統」だと言っていたという。

   女性は、ライブの途中から涙声になって、「正直なところ、私たちの代で変わることは難しい」「今、声を上げないと、来年以降も変わっていかない」と告白に至った思いを明かした。運営を改善しないままでは、コンテストを辞退することも考えるとしている。

   女性によると、出場者の中には、運営が不公平になっているなどと同様に指摘した人もいるそうだ。しかし、一方で、性的な質問には答えなくてもいいと言われるなど対応は悪くなかったと一時SNS上で明かす出場者もいた。

   主催者の東大広告研究会は10月17日、この騒動について、公式ツイッターに説明する文書を投稿した。

   チケットの買い占めができるかについては、友人らの分までまとめ買いすることは考えられるが、入場の際には登録情報との照合をしており、同じ人が重複購入して来場するようなことは起こらないと否定した。しかし、グランプリのやり方を決める前に、候補者との情報共有に不備があったことなどは認めた。

   ヒューリックホール東京については、以前は大学のキャンパス内でコンテストを行っていたが、コロナ禍で駒場祭がオンライン開催になったため、候補者にアンケートし、クラファンへの同意も得て決めたとしている。

   お披露目会でセクハラがあったかについては、「会員による、候補者が不快に思われるような質問があったことを確認」したと明かした。答えたくないときの代替質問を示したものの、女性関係や男性関係に関する質問をしたこと自体がセクハラに当たるとの認識を示した。候補者への配慮に欠けていたとして、質問したメンバーの謹慎処分を行ったとした。候補者への謝罪の場も設けたいという。

   候補者へのお酒の強要やコールなどがあったことは否定した。

   一方、メンバー2人から候補者への誹謗・中傷があったとして、謹慎処分を行ったとするともに、謝罪の場も設けるとしている。

セクハラ処分などの内容については、「到底納得できない」とも

   こうした東大広告研究会の説明に対し、SNS上で批判した候補者は10月16日、ツイッター上で、運営側から電話が来て、対応を改善すると回答があり、その内容を文書にするよう求めたことを明かした。東大の学生支援課からも連絡があり、話を聞いてもらえることになったともした。

   さらに、18日になって、ツイッターで現状についての報告があり、セクハラについては、運営側の説明やメンバーへの処分について、「到底納得することはできません」として、運営側と再協議することを明らかにした。東大の学生支援課とも、セクハラについて相談しているという。

   東大の広報課は20日、候補者へのセクハラがあったという認識があるかについて、J-CASTニュースの取材にこう答えた。

「そうした事実があったとすれば大変遺憾なことです。今後早急に事実確認を進めていきます。当該学生と面談した上で、本人からハラスメントの申し立てがあれば、大学として解決に向けて積極的に対応していきます」

   そのうえで、こうしたトラブルについての取り組みをこう説明した。

「基本的な問題として、学生がジェンダーをはじめとする多様性(ダイバーシティ)に対する認識を深めていくことが重要であると考えています。セクシャル・ハラスメントに関しても 重大な課題として認識しています。こうした観点から、ダイバーシティ&インクルージョンのための教育プログラムを開始すべ く準備をしています。また、ハラスメントを受けた学生が相談できる場所を複数用意しています。一方、ハラスメント案件はセンシティブな内容が含まれているので、大学側は、ハラスメント相談所などのルートを介して、事実関係や個人情報に配慮しながら対応することとしています。いずれにせよ、セクシャル・ハラスメントがあってはならないことであるとの認識を持って対応しています」

   コンテストで候補者間の公平性が担保されているのか、会場に選んだヒューリックホール東京は妥当なのか、などについては、次のようにコメントした。

「まずは事実確認をしなくてはなりませんので、早急に関係者への聴き取りなどを行っていきます」

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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