「経営体質の改善」への視線
また、「店内飲食からテイクアウトへ」の流れに合わせ、吉野家の宅配サービス対応店舗をこの中間期に645店舗(国内全店舗約1200店の半分強)にまで増やした。よりコスト軽減が期待できる宅配専門店も試験的に都内で始めており、来期には全国に拡大する方針だ。
ただ、他の牛丼チェーンと比べても高コストとされる経営体質の改善は不十分とみている投資家が少なくないことが、株価に表れているようだ。吉野家よりも売り上げの戻りが遅い傘下のうどんの「はなまる」、寿司の「京樽」の不振も頭の痛いところ。外食業界では日本マクドナルドHDや日本ケンタッキー・フライド・チキンのようにコロナ禍でも増収を果たすところもあるだけに、米国産牛肉輸入禁止など数々の試練を乗り越えてきた吉野家HDの底力が試されていると言えそうだ。