「2枚目のイエローのはVARが介入できません」
続く(2)の点について、「2枚目のイエロー」だったことの影響をこう語る。
「退場処分といっても一発レッドではなく、2枚目のイエローの場合はVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が介入できません。主審も振り返って映像を見たら、『警告は厳しいかもしれない』と思うかもしれませんが、流れの中で見れば、久保の足がガーンと相手に入ってしまっていたので、警告を出したのは理解できます。
1枚目か2枚目かでイエローを出すか出さないかというのは、レフェリーは多少考えるかもしれませんが、少なくともこのシーンについてはあまり関係ありません。今回のようないわゆるラフプレーでイエローを出さないでおくと、もし次に仕返しのようなシーンがあった時にまたカードを出さないのか。そう考えると、主審がラフプレーだと判断すれば2枚目だろうと空気は読まずに出すでしょうね。
特にこの試合を担当したカルロス・デル・セロ・グランデ主審はFIFA(国際サッカー連盟)の国際レフェリーです。FIFAのレフェリーはファウルを厳しく取る傾向があります」(石井氏)
そして(3)の点。石井氏は「この判定だけを見ると意見が分かれるでしょう」と繰り返す一方で、「考えておきたいのは、主審はこの試合で結構カードを出していたということです」とも指摘する。この試合は前半5分にビジャレアルがPKを得たほか、両チーム通じてイエローカードが合計5枚出た。
「試合を通じて結構厳しめにジャッジしています。また、久保選手は足裏で相手の頭に行ってしまった1枚目のイエローで、レフェリーの心証を悪くした可能性もあります。2枚目も足で強くスライディングしている。久保選手はレフェリーもそれほど情報を持っていない選手ですから、1枚目のプレーが心証に影響したという見方もできます。
こうした全体の流れを考えると、久保選手の2枚目のイエローのプレーだけが全然違う判定だったようには見えず、イエローを出したことは理解できます。試合全体で統一されたレフェリングだったと思います」(石井氏)