日本は別の「在来線高速化計画」に署名
高速鉄道計画とは別に、日本とインドネシアは19年12月、ジャカルタとスラバヤを結ぶ約730キロの在来線を高速化するための基本計画に署名している。中国が受注した高速鉄道計画では新たに路線を建設するのに対して、日本が携わる高速化計画では、すでにある路線に新車両を導入したり、設備を改良したりする。
日本が一度は撤退した「高速鉄道」と、日本が高速化を進める「在来線」は線路の幅も運行システムも異なるため、事業を一本化するのはきわめてハードルが高い。
5年前の出来事はインドネシア側の記憶にも刻まれているようだ。インドネシアのテレビ局「SCTV」のニュース番組「ラプタン6」のウェブサイトでは、「菅首相が米中よりインドネシアを好む7つの理由」と題した記事を10月18日に掲載。記事では、高速鉄道の件を念頭に
「5年前、菅義偉氏はインドネシアに落胆した」
「なぜ(初外遊が)ベトナムとインドネシアなのか。さらに、後者は、かつては菅氏に不快な印象を与えている」
などと指摘しながら、米国、中国、韓国の訪問が今の日本にとって優先順位が高くないことを説明した。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)