「ワシルが勝ったことは明らかだった」
119-109の採点は別として、3ジャッジの見立て通り、この日のロマチェンコは仕掛けるのが遅すぎた。海外の専門サイト「BOXING NEWS24」によると、トータルでロマチェンコが放ったパンチ数は「321」で、そのうち有効打は「141」となっている。対するロペスのパンチ数はロマチェンコのほぼ2倍となる「659」で、有効打は「183」。パンチ数、有効打においてロペスがロマチェンコを上回った。
海外の専門サイトの採点をみてみると、「Boxing Scene」が116-112でロペス。「Fight news」は115-114の僅差でロペスの勝利を支持している。米国メディアの反応は、119-109の採点に疑問が残るものの判定に関しては妥当だという見方が大半で、トップランク社のボブ・アラム氏も判定に関しては納得しているようだ。ボクシング界のレジェンド、マイク・タイソンやマニー・パッキャオらもロペスの勝利を歓迎している。
その一方で判定を不服としているのがロシアのボクシング連盟だ。専門サイト「Boxing Scene」によると、ロシアボクシング連盟のウマル・クレムレフ書記長は「私の個人的な意見だが、ジャッジがこのような採点をしたことは非常に残念なことだ。ワシルが勝ったことは明らかだった」とロマチェンコの勝利を主張している。
ロマチェンコ、ロペスともにトップランク社に所属していることから再戦への障害はそう多くはないだろう。ただ両者にとって再戦の選択がベストであるかは別問題である。ロマチェンコは適正体重といわれるスーパーフェザー、フェザー級に戻す可能性もあり、一方のロペスは23歳とまだ若く、スーパーライト級に階級を上げる可能性も。今後の両者の動向に注目が集まる。