7ラウンドまで3ジャッジ全員がロペス支持
大方の予想を覆して若き王者がベルトを統一したわけだが、採点の内容は妥当なものだったのか。3人のジャッジの採点とともに試合を振り返ってみる。
立ち上がりのロマチェンコは、慎重すぎるといっていいほど慎重だった。一発で相手をKOする右を持つロペスに対してガードを高く上げ、中間距離を保った。左ジャブで圧力をかけながらガードの上からもおかまいなしにパンチを打ち込むロペスとは対照的にロマチェンコは様子見が続き手数が出ない。ビッグパンチはないものの、ロペスが主導権を握る形で中盤戦まで淡々と同じような展開が続いた。
スコアカードでは、3人のジャッジ全てが7ラウンドまで10-9でロペスを支持している。これが意味するところは、ロマチェンコは8ラウンド以降全てのラウンドを取ったとしても、ダウンを取らない限り判定では勝つ見込みがないということ。もしくはロペスを倒さない限り勝利はない。スコア的には7ラウンドが終了した時点でロマチェンコの勝利はかなり厳しい状況にあった。
ロマチェンコが反撃を開始した8ラウンドは採点が割れている。2人のジャッジが10-9でロマチェンコ。残り1人が10-9でロペスを支持。9、10ラウンドも採点が割れ、11、12ラウンドは3ジャッジが揃った。11ラウンドは10-9でロペス、最終12ラウンドは3人が10-9でロペスを支持。119-109でロペスを支持したジャッジは、11ラウンドを初めてロマチェンコのラウンドとした。