NTTに「ドコモ完全子会社化」決断させた危機感 菅政権の誕生も追い風に

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ライバルたちは危惧

   さらに、NTTが重視するのが、その次の世代の「6G」。技術開発に力を入れており、特に光技術を使った通信技術の開発・普及を先導したい考えで、ドコモを取り込むことで、グループ一体で優位に立ちたい考えだ。

   今回のTOBは菅義偉政権誕生が追い風になったとの見方が強い。企業の国際競争力向上を目指す政権としては、日本のICT復権のリーダーとして、人材豊富なNTTへの期待は大きい。なにより、ドコモの経営体力が強まれば、菅首相の金看板である携帯料金値下げにつながるとの思惑もある。澤田社長が早速、料金値下げの方針を示している。

   だからというわけでもないだろうが、武田良太総務相はTOB発表当日の会見で「固定電話が圧倒的に多かった時代と、ここまで携帯が普及した時代では環境が違う」と、再編を是認。公正取引委員会の菅久修一事務総長も翌30日の定例記者会見で、「(独禁法面で)この株式取得が問題になることは考えにくい」との見解を示した。

   ただ、ライバル各社は警戒感を強めている。29日、KDDI(au)とソフトバンクは、それぞれ「料金値下げの問題とNTTの経営形態のあり方は別。公正競争から議論されるべきだ」、「NTTグループ各社のあり方は一定のルールが課せられている。公正競争確保の観点から検証されるべきもの」などとコメント。政府が約3割の株式を所有するNTTが強大な信用力を背景に携帯市場に臨むことをけん制した。

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