トラブルは一切なく「実験」は終了
この後、数度の停車駅への到着を経て新たな乗客が乗ってきたことにより、車内は1個開けの状態で乗客が着席しつつ、かつ、立ち乗りの乗客がそれなりにいる状態となり、いよいよソーシャルディスタンスを確保できない状況に。大幅に混雑率が上がったためか、さすがにその後はチラチラと視線が筆者に向けられる状況となったが、やはり、「マスクが苦手です」の文字で状況を察するという状況は変わらなかった。ただ、その文字が小さくて見えなかったか、筆者からずいぶんと遠くに座っている乗客は、十数秒間にわたって視線を浴びせてきたが、これは、もはや致し方ないことである。
そうこうしているうちに、電車はターミナル駅に到着。他の乗客が下りるのを待って筆者も降車したが、この駅も含め、乗客が下りる際には、やはり、それなりの視線を感じた。ただ、それらはいずれも一瞬のものであり、トラブルは一切なく「実験」は終了。その結果は、「せんすマスクを使っても、思ったほど視線は集めず、その一方でマスクを装着した際の不快感からは完全に開放される」というものだった。
もちろん、せんすマスクが通常のマスクを100%代替できる――とは断言できない。配布している成田空港でも、飛行機でマスク代わりに使えるかは、各航空会社に確認してほしいとしているのは上に述べた通りだ。
とはいえ、さまざまな事情でマスクを着けづらい人にとっては、現実的な選択肢になりうるかもしれない。今回の「実験」を終えて、筆者はそう感じている。
(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)