「せんすマスクの使用感」と「車内での他の乗客の反応」を調べる
10月某日、入手したせんすマスクを、実際に使用してみた。調べるべき点は2つ。「せんすマスクの使用感」と「車内での他の乗客の反応」だ。
駅のホームから車内に入る際、普段であればマスクを広げて顔に装着するが、今日は広げるものが違う。そう、扇子なのだ。センスは6枚の長さ20センチほどの透明なプラスチック製の板で構成されているが、プラスチック製ということで、その大きさの割に重量は軽く、非常に持ちやすい。また、それらプラスチック製の板の1枚には、「マスクが苦手です」と書かれたシールが貼り付けられている。
遅い時間ということもあり、車内の乗客はまばら。乗客は自分を含めて全員がロングシートの座席のどこかには腰掛けており、ソーシャルディスタンスが余裕で確保できている状況だ。
さぞかし視線を集めるのでは――と思ったが、その予想は早速裏切られた。
周囲の乗客は皆、スマホの操作に夢中で、その視線は下、下、下......。ひとりだけ「平安貴族状態」の乗客が乗り込んできたのだから、一人くらい関心を示してくれても良いような気もするが、気付いた素振りさえ見せたくないのか......いや、というよりは、やはりスマホに夢中で、「気付かない」のである。これぞ、大都会の無関心。肩透かしを食らいつつ座席に腰掛けると、電車は発車した。
乗った電車は最優等列車ではないものの、たくさんの駅を通過するものだ。そのため、それなりの分数がたっても次の停車駅にはたどりつかず、いまだ、車内はガラ空き。誰一人としてしゃべらず、ただただ、電車が立てる走行音だけが響き渡る車内で、筆者は1人、「平安貴族状態」で乗車し続ける。すると、ここでとある異変が。筆者の右肩が張り始めたのである。