首位を独走している巨人だが、意外なことに現時点で打率10傑に入っている選手が1人もいない(以下、成績はいずれも2020年10月15日まで)。
特に気になるのは坂本勇人だ。16年に打率.344で首位打者を獲得し、18年から2年連続打率3割をマークし、シーズン前には首位打者争いの本命と目されていたが、今季94試合出場で打率.276、16本塁打。新型コロナウイルスに感染して開幕に出遅れるとなかなか波に乗り切れない。9月は月間打率.337、6本塁打と調子を上げたが、10月に入って軽い体調不良で2試合連続欠場した。
ポイントになる「三塁へのコンバート」
スポーツ紙デスクは「坂本も31歳と若くない。遊撃は守備の負担が大きいポジションだし、勤続疲労は間違いなくあると思う。今年中に通算2000安打を達成するか注目されているが、この大記録も通過点。腰痛を抱えているし、息の長い選手として活躍してもらうためにも三塁へのコンバートは首脳陣も一つの案として考えていると思う」と分析する。
プロ2年目の08年に遊撃の定位置をつかんでから13年。攻守で球界を代表するショートストップに上り詰めたが、坂本がこの先も活躍し続けるためには守備の負担の軽い三塁にコンバートした方が選手寿命も延びるだろう。
遊撃を任せられる後輩もいる。吉川尚輝だ。故障が多いのがネックだが、中京学院大までは遊撃を守っていた。現在は二塁を本職にしているが、身体能力は目を見張るものがあり、俊足と強肩でリーグ屈指の遊撃手になる資質を秘めている。
このコンバートだが、早期に実現する可能性がある。今オフにFAで獲得を目指すヤクルト・山田哲人が加入すれば二塁に入る。二塁の吉川は遊撃手、遊撃の坂本は三塁、三塁の岡本和真が一塁に回れば強固な内野陣が完成する。