ローソンめぐる「ドコモvsKDDI」 キャッシュレス合戦に勝利するのは?

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

   2020年11月30日の利用分をもって、ローソンにおけるdカードの支払い時の3%割引特典を終了する――。

   こうした内容の告知がNTTドコモのクレジットカード「dカード」の公式サイトに掲示されると、ツイッター上では「ローソンは三太郎を選ぶのか」と諦めたような書き込みが相次いだ。三太郎とは言わずと知れたKDDI(携帯電話ブランドはau)の広告キャラクター。この告知は、コンビニ大手の一角を占めるローソンを巡る携帯電話大手2社の陣取り合戦でKDDIがドコモに勝ったことを意味している。

  • ローソンは「ポインコ」から「三太郎」へ
    ローソンは「ポインコ」から「三太郎」へ
  • ローソンは「ポインコ」から「三太郎」へ

蜜月関係が転機を迎えた理由

   この特典はdカードの「売り」として2015年に始まったもので、ローソンで買い物をすると通常の購入時のポイント加算とは別に、購入額の3%がdカードの月々の支払時に割り引かれる。ドコモとローソンの関係は2006年にさかのぼり、両社が資本業務提携を結び、ドコモがローソンの発行済み株式の2.0%を取得したのが始まりだ。当時のドコモは「おサイフケータイ」の普及に注力しており、提携はキャッシュレス決済サービス「iD」をローソンの全店舗に導入する目的があった。

   こうした蜜月関係が転機を迎えたのが19年12月。今度はKDDIとローソンが資本業務提携を結び、KDDIがローソンの発行済み株式の2.1%を取得することに合意したのだ。ドコモよりわずかに高い出資比率が全てを物語っている。併せてKDDIは、ローソンなどで利用できる共通ポイント「Ponta(ポンタ)」の運営会社であるロイヤリティマーケティングの株式の20%を、ローソンの親会社である三菱商事から取得し、20年5月にKDDIが展開していた「au WALLETポイント」をポンタに統合。KDDIは自社ポイント制度を事実上捨てて、共通ポイントとして定着しているポンタに組み込むことで、携帯電話大手を中心に繰り広げられる共通ポイントを巡る戦いで、一気に遅れを挽回しようとしたのだ。

   KDDIは自社のスマートフォン決済「au PAY」を使ってローソンで買い物をした場合のポイント還元率を高めるキャンペーンを相次いで打ち出し、ポンタ会員をau PAYのユーザーとして取り込もうと注力している。各携帯電話大手が展開するスマホ決済は、自社携帯電話の利用者以外にも開放している。これは稼ぐ力が頭打ちになってきた携帯電話事業から、スマホ決済に共通ポイントを組み合わせながら様々なサービスを提供していくビジネスに各社の関心が移りつつあることを意味する。その文脈では、KDDIの狙いはむしろポンタ会員にあったのかもしれない。

姉妹サイト