「次の日程があるので、次の質問最後でお願いします!」、どう変わったか
では、菅官房長官はどうだったか。1年前の同じ時期で比較する。官房副長官が代行した4回を含めると、19年9月16日~10月15日の間に、会見は41回開かれた。合計時間は6時間35分10秒で、記者からの質問は404問。会見1回あたりの時間は9分38秒で、質問数は9.9問だった。共同通信が最も質問が多く、69問。朝日新聞の68問、東京新聞の47問が続いた。
加藤会見と菅会見の違いのひとつが、東京新聞社会部の望月衣塑子(いそこ)記者の出席だ。20年4月に緊急事態宣言が出されてから首相官邸の記者会見は「ペン記者は1社1人」に限られるようになった。東京新聞からは政治部の記者が出席するため、社会部所属の望月氏は官邸の記者会見に出られない状態が続いている。東京新聞記者が19年9月の調査対象期間に行った47問の質問のうち、20問が望月記者による質問だった。
19年は秋の臨時国会が10月4日に召集され、国会審議を縫う形での会見となった。これが、19年の会見が20年よりも時間が短い一因になっている可能性もある。さらに。19年は司会者から
「国会日程があるので、次の質問最後でお願いします!」
「次の日程があるので、次の質問最後でお願いします!」
といった声があがる場面も多かった。回数は14回に及び、そのうち9回が望月記者に対するものだった。加藤氏の会見でこういった声があがったのは6回だった。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)