中曽根康弘元首相への弔意表明について、各学校に通知するかを巡って東京都と大阪府で対応が分かれている。
政治教育などを禁じた教育基本法第14条に抵触するかでも、見解が異なっている。J-CASTニュースでは、それぞれの話を聞いた。
「これこそ、前例主義を改めるべき」VS「昔から何度もやってる事だろ」
東京都内のホテルで2020年10月17日の土曜日に営まれる予定の中曽根氏の内閣・自民党合同葬については、1億円近い税金が使われることが分かり、ネット上で論議になっていた。
さらに今度は、文科省が国立大学などに弔旗や半旗の掲揚や14時10分の黙とうへの協力を求める通知を出したと14日に報じられ、さらに、都道府県教委には、この弔意表明について「参考周知」し、市区町村教委にも参考周知を依頼するよう求める通知を出したことも分かった。
過去には、亡くなった首相経験者の多くで同様な通知を出してはいるが、日本学術会議の問題がくすぶる中、政党も主催に加わる葬儀だけに異論も相次いでいる。
「弔意を示す示さないは個人の内心の自由」「なんか、全体主義っぽくなってきている」「これこそ、前例主義を改めるべき」といった声が出た。一方で、「昔から何度もやってる事だろ」などの指摘もあった。
中曽根氏への弔意表明について、加藤勝信官房長官は、15日の会見で、「強制を伴うものではない」と説明し、「要望したものであり、弔意表明を行うかどうかは関係機関で自主的に判断されることになる」と強調した。法に抵触するかについては、「特定の政党を支持するための政治的活動にあたらず、文部科学省として教育の中立性を侵すものとも考えていない」と否定した。
教育現場での対応はどうなっているかについて、J-CASTニュースでは15日、東京都と大阪府の教育委員会に取材した。