国家のアイデンティティーにコメントされ「大きな抵抗感」
この背景について、EAIの孫洌(ソン・ヨル)院長は、
「今まで日本の指導者が、公式的、公開的に韓国のアイデンティティーについて指摘したことはなかった。でも、『国際法に違反することよりも、法治、法の支配が通用しない国だ、だから韓国が信頼できない』という、韓国の国家に対するアイデンティティーに対するコメント、これはとても大きな抵抗感を与えることになってしまった」
などと指摘。具体的にどの発言を指しているかは明らかではないが、19年7月の参院選に向けた討論会で、安倍氏が
「相手が約束を守らない中では、今までの優遇措置はとれない」(7月3日)
「国と国との約束が守れない中で、こうした貿易管理において、ちゃんと守れないだろうと思うのは当然」(7月7日)
などと発言したことを念頭に置いているとみられる。
言論NPOの工藤泰志代表も、
「民間を含めた多くの国民・市民の交流が全く不足している状況の中で、政府間のこうした不信の行動が、こうした状況を招いてしまっている。この状況を放っておくことは、日韓関係におけるさらなる感情の悪化につながる」
などと話し、新型コロナウイルスの影響で日韓の往来が途絶えていることも影響しているとみている。