「石油化学工場にあるが、未検出物質もあり、異臭の原因と言い切れない」
ブタンは、ガス缶やライターなどに、エチレンは、化学繊維の原料などに、アセチレンは、金属を溶接するバーナーの燃料などに、それぞれ使われている。
これらの物質がどんなところにあるのかについて、横浜市環境科学研究所の百瀬英雄所長は10月14日、J-CASTニュースの取材にこう話した。
「いずれも、工場で使われており、石油の精製で分離されます。石油コンビナートなどがそうですが、これらが異臭の発生源とは言い切れません。分析に使ったガスクロマトグラフの装置では、つかみ切れていない物質が存在する可能性があるからです」
その理由としては、分析装置は、ターゲット物質を検出するためのもので、他の物質を検出するためには、様々な装置が必要だからだという。
ペンタンやイソペンタンは、ガソリンのような臭いもするといい、ブタンは、ガス臭くなる。エチレンは、果物のように微かに甘い匂いがし、アセチレンも微かな芳香がすることもあるという。
通常より多く含まれていたのがペンタンやイソペンタンで、ブタンも臭いが、だからといって、異臭の原因とは必ずしも言えないと百瀬所長は言う。
「ごく微量でも臭う物質が他にもあり、検出できなかった可能性もあります。また、濃度によって、臭い方も変わります。今回初めて採取できましたので、三浦半島で6月からあった異臭と同じ成分かも分かりません。発生源は、まだ分かっておらず、採取した空気は分析でなくなってしまいましたので、調査は始まったばかりになります」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)