Go To トラベル「割引制限」取り下げの急展開 3500円→1万4000円の方針転換促した国の動き

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4サイトいずれも制限を撤廃

   3500円の上限額を設けていた前出の予約サイトでは13日昼、上限を従来の1万4000円に改めることを各ウェブサイト上で発表した。「じゃらん」は13日13時以降の予約に、「Yahoo!トラベル」「一休.com」は13日12時以降の予約に、それぞれ適用される。

   楽天トラベルは13日15時ごろのJ-CASTニュースの取材に、「早急に回数制限を取り下げ、元に戻す方向で対応している。早ければ今日中にも発表する」と答えた。なお、回数制限を設けたのは「予算上限があったためだった」としている。その後、楽天トラベルのウェブサイトは同日15時30分までに更新され、同日15時20分以降は1会員何回でも35%割引クーポンを利用できることを発表した。

   Go To トラベルの趣旨は「失われた旅行需要の回復や旅行中における地域観光関連消費の喚起を図るとともに、ウィズコロナの時代における『安全で安心な旅のスタイル』を普及・定着させる」(観光庁資料)こと。事業者が割引制限すれば、旅行需要も制限されると考えられるが、制度上構わなかったのか。観光庁の担当者は12日の取材に「当初から予約システムの仕様などにより、35%を下回る割引率での運用も認めていました」と話した。

   Go To トラベル全体の割引原資は約1兆1000億円。うち7割が宿泊割引、3割が地域共通クーポンに使われる。そのため、35%割引に使われる予算総額は「7700億円程度」という。一方、観光庁は10月6日、Go To トラベルにおける7月22日から9月15日までの割引支援額が「少なくとも約735億円」だったと発表していた。

   なお先述のとおり、東京発着の追加や地域共通クーポンの発行は9月下旬以降のため、ここ1か月で一気に利用が急増し、その結果予約サイトで制限が設けられた可能性はある。とはいえ「735億円」は予算全体の1割程度だ。

   この点、12日の取材に応じた観光庁の担当者によると、Go To トラベルの実務は観光庁が委託している「Go To トラベル事務局」が担っており、各社が事業登録に際して提出した「販売計画」をもとに、事務局から各宿泊予約サイト、旅行会社、宿泊施設に給付金を分配している。Go To トラベルの期間は現状21年1月末までだが、「予算すべてを一度に配分するのではなく、時期ごとに段階的に配分している」というのがこの時点での説明だった。特定の時期に旅行需要が集中しないようにするためだという。

   赤羽国交相は前出13日の会見で、「今後の見通しを正確に申し上げるのは尚早だが」としながらも「予算がただちに枯渇する状況ではない」と述べている。35%割引と15%の地域共通クーポンのあわせて50%相当の還元は「堅持する」と表明。今後、十分な予算がある中では、今回のように事業者が割引の制限を設けることはないように対応したいと話していた。

(J-CASTニュース編集部 青木正典)

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