漫画家のまつもと泉さんが2020年10月6日、亡くなった。13日に公式ブログ「サイキンのまつもと」で明かされた。61歳だった。
訃報を伝えるブログは、WAVE STUDIOによって更新された。これによると、まつもとさんは脳脊髄液減少症による不定愁訴と闘いながらも、仕事復帰への意欲を燃やし続けていたという。「数年前に手術をした心臓にも不安を抱えており、残念ながら身体が保たなかった」としながらも、医師によれば最期は睡眠中に安らかに旅立ったとのことだ。葬儀はすでに近親者のみで執り行われており、お供えや香典は辞退している。
まつもとさんは生前2019年11月のブログで、「脊柱管狭窄症」であることを明かし、手足のしびれなどを訴えていた。「睡眠導入剤を病院でもらって飲んで寝るようになった。それでも、導入剤が強い痺れによって効かない時もあり、毎晩寝るのが怖くなって来た」と、その心中を明かす。「腰部に病巣があるので、仕事で長年の机上生活もたたっているのかもしれない」とも記していた。
「我々の世代、恐らくジャンプ史上最高のヒロイン」
まつもとさんの代表作には、「きまぐれオレンジ☆ロード」や、「せさみ☆すとりーと」、「EE」などがある。「きまぐれオレンジ☆ロード」は1984年から87年まで、週刊少年ジャンプ(集英社)にて連載された。同作のヒロイン、「鮎川 まどか」は多くの人々を虜にしたキャラクターだった。SNS上ではファンから、こんな声が上がっている。
「鮎川まどか。我々の世代、恐らくジャンプ史上最高のヒロイン」
「まつもと泉先生が逝去。かなしい。初恋の人は鮎川まどかでした」
「女性としての強キャラ設定を限界まで詰め込んだ鮎川まどかさんを世に送り出した功績を忘れません」
同業者からも、まつもとさんを悼む声が相次いでいる。「友情の男アミーゴマン」などで知られる漫画家の「こにししのぶ」さんは、ツイッター上でこう述べる。
「先生とは同人誌繋がりからオレンジロード連載初期に急遽お手伝いさせていただいたり、引っ越しも手伝わせていただいたりしました。大阪から来ていて何もわからない私に凄く優しくしてくれました 本当に本当に優しくしてくれました。お悔やみ申し上げます」
また、「きまぐれオレンジ☆ロード」で主人公・春日恭介(かすがきょうすけ)を演じた声優の古谷徹さんも冥福を祈るツイートをした。
「まつもと泉先生がお亡くなりになっていたとはショックです。ご病気が悪化していた事も知らなかった。『きまぐれオレンジロード』という素晴らしい作品を生み出してくださった事に改めて感謝すると共に、心からご冥福をお祈り致します」