「東京さくらトラム」命名3年半でも定着せず 「都電荒川線」前面に出す例も...「愛称を諦めた」?

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りんかい線、スカイツリーライン...路線愛称の定着に必要なものは?

   路線愛称をつけても、定着しなかった前例はいくつかある。南海電鉄の高野線は1990年代に「りんかんサンライン」という愛称がつけられたが、全く定着せずにフェードアウトし、高野線の名前のままで通っている。埼玉高速鉄道は2002年の開業時に沿線の埼玉スタジアムにちなんで「彩の国スタジアム線」と愛称が命名されたものもこれも浸透せず、「埼玉高速鉄道線」と一般に呼ばれている。

   逆にすっかり一般化した愛称の例が「りんかい線」と「ゆりかもめ」である。前者は1996年の部分開業時は「臨海副都心線」であるが、2000年から「りんかい線」の愛称が付けられた。ゆりかもめも正式名称は「東京臨海新交通臨海線」という長い名前なので、開業時からゆりかもめの愛称が定着している(運営企業は、98年に「東京臨海新交通」から「ゆりかもめ」に改称)。

   「東京さくらトラム」と近い時期につけられた愛称に、東武鉄道の「東武スカイツリーライン」(伊勢崎線の浅草・押上~東武動物公園間)、「東武アーバンパークライン」(野田線)がある。前者は12年、後者は14年から使われ、東武の路線図や案内サイン類でも原則愛称名で統一されている。直通先の東京メトロにおいても「東武スカイツリーライン直通」とアナウンスされており、認知される機会は多い。乗客がどう思っているかはさておき、一貫して愛称を定着させようという東武の姿勢は変わっていないようだ。

   鉄道路線の愛称が定着するか否かは、命名センスだけでなく愛称を定着させるという事業者側の「覚悟」も必要なのかもしれない。

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