「消費者保護に名を借りた悪法」出版業界が「消費税総額表示」に反発する理由と、財務省の見解

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消費税と出版業界、総額表示をめぐる30年

   消費税が導入された1989年、メーカーが小売価格を決める「再販商品」である出版物は、公正取引委員会の指導や、書店や取次からの希望で、総額表示に対応した。しかしこの対応には膨大なコストがかかってしまい、絶版や廃版となる書籍も現れた。(2020年9月16日J-CASTニュース配信、「『#出版物の総額表示義務化に反対します』作家・編集者から危惧相次ぐ理由」)このような事態を避けるため1997年、消費税が5%に上がる際には外税表示を採用した。

   しかし2004年に改正消費税法が成立し、総額表示は出版物に限らず、法的に義務化された。書協・雑協含む出版業界4団体はこれに先立ち2003年、財務大臣に対し「消費税の価格表示に関する要望書」を提出。しかしこの要望は通らず、当時の税率(5%)を含めた総額表示を、なんらかの形で行うことが必要となった。

   それから10年後、再び税率が変動することになった。今回は、2014年4月から19年10月にかけて、消費税が段階的に2回引き上げられることを考慮し、引き上げ後1年半は総額表示義務を免除の特例が定められた(平成25年法律第41号「消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法」)。しかし21年4月からは、特例期間が終わり、再び総額表示が義務化される。そのために、現在の税率(10%)を反映した総額を表示しなければならない。

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