アマゾンで「棺(ひつぎ)」が、約2万円というリーズナブルな価格で販売されていた――そんな話題が、ネット上で盛り上がりを見せている。
コンセプトは「自分で準備できるものは自分で準備しよう」
注目を集めているのは、「棺 平棺 折りたたみ式 布団付 直葬 家族葬 適」という商品名で売りだされている2万1000円(配送料別)の棺。白木作りのシンプルな見た目ではあるが、顔の部分の「窓」や、棺内の布団などの設備はちゃんと備えられているようだ。
ネット上で葬儀会社の棺のカタログを見ていくと、20万円以上するものも多く、安価なものでも5万円といったところだ。約2万円は安価と言っていいだろう。この棺はユーザーによって2020年10月3日にツイッター上で紹介され、話題を呼んだ。
J-CASTニュースは7日、出品者の「HITUGI.ねっと」に取材を行った。
仏具や神具を販売し、葬祭関係の仕事もしているという代表者に出品の経緯について尋ねると、
「もう6年ぐらいになりますかね。アマゾンに最初に棺を出した時には、まだ棺なんていうものはなくて、『逆に棺なんかがアマゾンで売れるんだろうか』とまだ思われてた時代でした。ただ、家族葬や密葬とかが多くなってきた時期でもあったんですよ。それで、できるだけ葬儀の費用を安くしたいという流れが出てきた時代だったので、そんな時に『自分で準備できるものは自分で準備しよう』というようなコンセプトから、その棺を売り出したのですね」
と回答。また一部の葬儀社が販売する棺について「過度に金額が高い部分もあるのではないか」と考え、卸値に近い金額で出しているとのことだ。以前から1万9000円前後としており、消費税の影響で「若干の値上げ」はありつつも、ほとんど値段は変えていない。
また、品質についても「葬儀屋さんに出しているものと変わらない」という。なお、取材当時は棺の価格は2万1000円だったが、9日現在1万9000円(配送料別)とされている。