「1番のポイントは学問それ自体」
さらに、「任命権に基づく総合的な判断」といった菅氏の説明については、「何も語ってないに等しいですね。言い訳にならない」と批判。また、学術会議に年間約10億円の予算が充てられているという菅首相の指摘をうけ、1万円札に印刷された福沢諭吉に話をつなげて、
「天は人の上に人を造らず、というふうに書いて、市民平等だと。それから、一国の独立の基礎は一身の独立にあり。一身の独立の基礎は学問にあり。これが最初のメッセージです。つまりですね、イギリスのポンドはエリザベス女王陛下が刷られています。日本はですね、学問立国の福沢の顔を刷ってるんですよ。ですからよーくお札の顔を見てください。日本の国は学問立国の国なんだと。その学問をする人はですね、もちろん物理学、あるいは経済学、なさります。しかし日常生活ですから、政権に対して右とか左とかって意見もされるでしょう。だけどその人の学問がそれによって貶められることはないと」
と持論を展開。法律に違反していない限り、「学問がなっていない」という理由以外で任命を拒否することは不当だとした。さらに、
「学問立国の国であることをずっとやってきたところに、学問をしてる人に対して『任命権者だからいいだろ』と。それはまさに日本の学問立国に泥を塗るようなことではないかと、非常に心配しております。汚点ですね。汚点はなるべく早く拭ったほうがいい」
とコメントした。
最後に記者から「任命をしなかったことの是非以上に、政府がその理由を説明していないことが問題ではないか」と聞かれると、川勝知事は「その通りです」と肯定し、
「1番のポイントは学問それ自体だと思います。『この人の学問は低い』と言ったと。そうでないなら、その他の理由をちゃんと明示しなさいと、いうふうにですね。それが丁寧に説明することではないかと。できないなら、反省しなさい。改めればよろしいわけですから」
と締めくくった。