トランスジェンダー描いた内田英治監督は「許しがたい」と語気を強めた 区議の「足立区は滅ぶ」発言を批判

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   公開中の映画「ミッドナイトスワン」でトランスジェンダー役を演じた俳優の草なぎ剛さんと内田英治監督が2020年10月9日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で記者会見した。足立区議の白石正輝氏(78)=自民党=が、「L(レズビアン)とG(ゲイ)が完全に広まったら、私たちの子供は一人も産まれない」「区は滅んでしまう」などと区議会で述べたことに対し、内田監督は「許しがたい発言」と強く非難した。

   「ミッドナイトスワン」は内田監督のオリジナル脚本。トランスジェンダー女性20人以上に取材しながら制作され、草なぎさんがトランスジェンダーの凪沙(なぎさ)役で主演した。9月25日に公開され、「大変多くの人に見ていただいている」(内田監督)と好スタートを切っている。

  • 会見した内田英治監督
    会見した内田英治監督
  • 会見した草なぎ剛さんと内田監督
    会見した草なぎ剛さんと内田監督
  • 会見した内田英治監督
  • 会見した草なぎ剛さんと内田監督

問題の発言は区議会一般質問の場で

   だが折しも公開同日の9月25日、足立区議会一般質問の場で、白石氏が「L(レズビアン)とG(ゲイ)が完全に広まったら、私たちの子供は一人も産まれない」「LもGも法律で守られているじゃないかという話になったら、足立区は滅んでしまう」などと同性愛者、性的少数者に対する差別的発言をし、10月に入ってSNSや各メディアで問題視されるようになった。

   会見では同発言について、司会から「LGBTへの理解の問題で、日本では政治家からも誤解をあおるような発言がある」として、内田監督が見解を問われた。内田監督は「僕は(足立区の)隣の区に住んでいますが...」と切り出した後、約5秒の間を空け、意を決するように「許しがたい発言だと思います」とやや語気を強めて批判した。

「自分がこういう映画を作ったことを差し置いても、仮にも政治家を名乗る人間がああいう発言をするのは、1人の映画監督としても大きな声で抗議したいですし、本当に言葉にならないくらい許しがたい発言だと思っています」
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