高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
マスコミとYouTubeの「情報の質」 チャンネル開設で気付いた違い

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まずは「川を上り海を渡る」

   地上波TVで出ている人はマスコミが多いが、筆者のモットーとしている「川を上り海を渡る」こと、つまり過去の経緯を調べ海外の事例を知っておくことをサボっている人が多すぎる。このモットーは役人時代からの習慣であるが、その当時からマスコミの不勉強には閉口した。しかし、何も知らないのに、意見ばかりをいうので、新聞や地上波TVに飽きている人も多いだろう。筆者は役人時代、過去の経緯や海外の事例をマスコミに話していたが、今では自分でネット番組でいっている。

   先ほどのワイドショーの疑問について、日本学術会議法による任命の規定は1983年法改正でできた。その時の経緯をみれば、最近になって法解釈を変えたというより、当初から裁量的な任命はできたが、当初の法運用方針として推薦されたものを任命していたという理解になるだろう。さらに、欧米のアカデミーは、国の機関ではなく、2003年改革議論で、欧米型を目指して10年以内に改革すべきだったが、それを怠っていたこともわかる。そうした経緯の上で、今回の任用しなかったこともわかる。

   これだけで、新聞や地上波TVがたばになっても得られない情報が得られるだろう。これは、日本学術会議の問題に限らず、マスコミが提供するよりも質の高い情報が、ネットで提供でき、それがビジネスベースにのる、そういう時代になったのだ。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長 1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。著書に「さらば財務省!」(講談社)、「FACTを基に日本を正しく読み解く方法」(扶桑社新書)、「国家の怠慢」(新潮新書、共著)など。


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