Go Toイート「錬金術」は想定済み なぜ「一律ポイント付与」に?農水省に詳しく聞いた

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なぜ「一律」のポイント付与なのか

   実際に「錬金術」が浸透するかどうかは、確かにまだ分からない。とはいえ上記のとおり、「一律1000円分(昼食500円分)のポイント付与」というGo To イートの仕組みそのものが、客単価を押し下げる要因になり得るといえる。なぜ「一律」でなく、食事代に応じた「比率」でポイント付与しなかったのか。前出の農水省Go To Eatキャンペーン準備室の担当者は6日の取材に、こう説明する。

「予約サイトでは、『会計金額』まで追える仕組みになっていません。あくまで来店したかどうかのチェックのみで、1人いくら使ったかまでは入力できない。そのため予約サイトを介して『飲食代の○%オフ』ということが仕組み上できないのです」

   では、そもそも「予約サイト」をGo To イートに組み込んだのはなぜなのか。

「予約サイトに参加いただいたのは、既に仕組みが出来上がっていることと、ネットを活用することで、素早く、多くの飲食店・消費者に活用いただけるからです。先ほど言ったような『会計金額』まで追えるようにするには、補正予算を組んで新システムを開発する必要がありますが、時間が足りません。あくまで既存のシステムを使うことで、スピード感をもって、多くの方々に参加いただくという前提で制度設計しています。そのため、どうしても制限は出てきます。

『プレミアム付食事券』のほうは物理的な動きが伴うので、時間含めたコストが確実にかかります。券を作り、輸送し、販売して受け渡さないといけない。ただ、予約サイトを使っておらず、食事券でないと対応できない飲食店も当然あるので、Go To イートは食事券と予約サイトの両面で設計しました」

   低い単価から「送客手数料」が引かれることで、飲食店の負担は大きくなる。ただ、この送客手数料は従来から存在していたもので、Go To イートにおける同手数料の設定は各予約サイトの裁量に任せている。

「Go To イート以前から通常取っていた手数料をそのまま取ることは可能です。Go To イートを機に値上げするのは禁止しています。逆に値下げや無料にすることはもちろん可能です。結果的に4サイトで無料になっています」

   他にも予約サイトは、「基本手数料」という月額の掲載料を飲食店から取っているが、これも従来からあったもの。これについては「Go To イートで新規に各予約サイトへ加盟した飲食店に限って、無料にしています。従来から加盟していた飲食店は、すでに対価を払って予約サイトのサービスを受けてきたので、無料にしなくてよいとしています」という。

   加藤勝信官房長官は7日午後、Go To イートの「錬金術」についての受け止めと、対策を取るかを問われ、「私どもも承知しております。Go To イート事業を担う農林水産業において、そうした使い方が国民の皆さんの公平感にみてどうなのか。反することがないように、必要な対応を検討していると承知しております」と、見直しの可能性について言及した。

(J-CASTニュース編集部 青木正典)

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