赤ブーブー通信社(有限会社ケイ・コーポレーション)を創設し、代表を務めた田中圭子(旧姓:赤桐)さんが2020年9月22日、77歳で亡くなった。10月6日に公式サイトで発表された。
赤ブーブー通信社は、同人誌即売会「COMIC CITY(コミックシティ)」を運営することで知られている。同社の後任は赤桐弦さんが務めると発表された。
「弁当沢山準備して お世話になっている みんなに配って」
公式サイトによれば、「葬儀は昨今の状況を考慮し 近親者のみで執り行いました ここに生前のご厚誼を深謝し衷心より御礼申し上げます」とし、香典や供花、供物等は辞退するとのことだ。さらに公式ツイッターには、田中さんの最期の言葉が綴られている。
「数日前のイベント会場に賑わいが戻りつつあることを喜んでいた矢先でした 最後に交わした言葉は"弁当沢山準備して お世話になっている みんなに配って"いつもスタッフやイベント現場を大切にしていた田中圭子らしい旅立ちでした」
赤ブーブー通信社は、1988年から「COMIC CITY」という歴史ある同人誌即売会を開催している。中でも東京で実施する「SUPER COMIC CITY」は、日本最大級の同人誌イベントの一つとして知られている。同社の2018年のプレスによれば、参加者の99%は女性で、2日間の開催で10万人を動員したという。このほかにも、「HARU COMIC CITY」、「COMIC CITY SPARK」といった大規模イベントを多数開催していた。
昨今は、感染症対策を実施し新たな形の同人誌即売会を模索しているところだった。10月11日には「COMIC CITY SPARK 15」が開催される。同イベントには、田中さんの死去を受けて、メッセージコーナーを設けると発表された。
「同人誌業界にも多大な貢献」田中さんを悼む声
田中さんの死去には、同人誌印刷所や作家などイベント参加者らから悼む声が寄せられている。同人印刷所「栄光」は公式ツイッターで、こう述べる。
「ケイコーポレーション代表 田中圭子様がご逝去されました。ご冥福をお祈り申し上げます。 同人誌即売会立ち上げの草創期から今日に至るまで、業界に多大なる貢献をされましたことに敬意を表するとともに、私たち印刷会社がその恩恵を受け事業継続できていることに、最大限の感謝をお伝えします」
「金沢印刷」の代表、「ラスボス阿戸」さんも、同人文化に大きな貢献をしたとして、ツイッターで冥福を祈った。
「ケイコーポレーション代表 田中圭子様がご逝去されました。創業以来幾つもの困難を克服され、コミックシティを現在の形に作り上げられ、同人誌業界にも多大な貢献をされました。公私共に大変お世話になりました。心からご冥福をお祈り申し上げます」
イベント参加者らからも、
「女性同人作家の門を開いてくれた立役者だったのよね...ご冥福をお祈りします」
「田中さんが赤ブーを立ち上げて下さったお陰で楽しい同人活動がずっと出来たと思いますし、沢山の素敵な友人達にも出会えました。田中圭子様のご冥福を心よりお祈り致します」
といった声が多数寄せられている。
【当社代表逝去のお知らせ】
— 赤ブーブー通信社 (@AKABOO_OFFICIAL) October 6, 2020
去る9/22に代表・田中圭子が永眠いたしました。ここに生前のご厚誼を深謝し衷心より御礼申し上げます。
10/11スパーク会場内にメッセージコーナーを用意しますので、お時間ございましたらお立ち寄りください。https://t.co/GM0OpjtZVQ pic.twitter.com/MtGZgpP4q3